コリンエステラーゼ阻害薬(点眼薬)
神経伝達物質アセチルコリンを分解する酵素の働きを阻害することで重症筋無力症における眼の筋力低下や緑内障における眼圧を改善する薬
コリンエステラーゼ阻害薬(点眼薬)の解説
コリンエステラーゼ阻害薬(点眼薬)の効果と作用機序
コリンエステラーゼ阻害薬(点眼薬)の薬理作用
重症筋無力症では免疫の異常により、全身の筋力低下や目や口などの様々な部分の筋力が低下し、特に眼瞼下垂や複視などの眼症状はおこりやすいとされる。筋力低下は神経と筋肉の間の伝達物質であるアセチルコリンが免疫異常により邪魔されてしまうためにおこる。アセチルコリンはコリンエステラーゼという酵素によって分解される。コリンエステラーゼを阻害すればアセチルコリンの量を増やすことができる。
本剤はコリンエステラーゼ阻害作用によりアセチルコリンの作用を増強することで、(眼筋型)重症筋無力症による、まぶた(眼瞼)が開きにくい、物が二重に見えるなどの眼症状を改善する効果が期待できる。また、アセチルコリンは副交感神経を亢進させ、眼圧上昇の原因となる眼房水の排泄を促進させるため、本剤には眼圧を下げる効果も期待でき、緑内障の治療に使用する場合もある。
なお、本剤は瞳孔の筋肉が収縮し縮瞳させる(瞳孔が小さくなる)作用をあらわすため、調整性内斜視の治療に使用する場合もある。
コリンエステラーゼ阻害薬(点眼薬)の主な副作用や注意点
- 眼など局所への副作用
- 涙目、結膜炎、充血、異物感などがあらわれる場合がある
- 全身への副作用
- 点眼後、薬液が眼と鼻をつなぐ菅を通り体内へ吸収されることにより全身性の副作用が生じる可能性がある
- 頻度は稀だが、下痢、腹痛、
発疹 などがあらわれる場合がある
コリンエステラーゼ阻害薬(点眼薬)の一般的な商品とその特徴
ウブレチド
- 薬液に含まれる成分濃度の違い(0.5%、1%)により規格が分かれ、症状や
病態 などによって選択される