いでんせいしゅっけつせいまっしょうけっかんかくちょうしょう
遺伝性出血性末梢血管拡張症(オスラー病)
遺伝子の変異により血管が拡張してもろくなり、出血を引き起こしやすくなる病気
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最終更新: 2017.12.06
遺伝性出血性末梢血管拡張症(オスラー病)の基礎知識
POINT 遺伝性出血性末梢血管拡張症(オスラー病)とは
血管をつくる細胞の遺伝子変異によって、血管がもろくなり、血が出やすく止まりにくい病気です。遺伝性の病気であり、家族に同様な症状があります。症状は鼻出血、胃などの消化管からの出血、貧血など多彩です。内臓の血管奇形から出血した場合は、脳出血であれば意識障害、けいれん、頭痛などが起こり、肺出血であれば喀血や呼吸が苦しくなるなどの症状がでます。その他に皮膚などの毛細血管が拡張して見え、進行すると、赤いおできのようになります。繰り返す鼻出血から診断がついたり、CT検査やMRI検査でいろんな臓器の血管奇形を認めることから診断がつきます。治療は鼻出血時に止血効果のある綿をつめたり、レーザー焼灼を行いますが、難治性の場合は手術を行います。内臓に将来的に出血の危険性がある血管の形態異常が見つかった場合には、カテーテル治療、手術(摘出術)、放射線照射、レーザー焼却などを行い出血を予防します。
遺伝性出血性末梢血管拡張症(オスラー病)について
- 遺伝子の変異により血管が拡張してもろくなり、出血を引き起こしやすくなる病気
- 血管の形成に関わる遺伝子の異常が原因(ENG、ACVRL1、SMAD4などの遺伝子)
常染色体優性遺伝 という遺伝形態をとる- 血管の変化によって動脈と静脈が直接つながる
動静脈シャント や動静脈の形態異常(出血の原因となる)が、脳や肺、肝臓に生じることがある
- 頻度は10万人あたりに1-2人
- 国の定める指定難病の1つであり、一定の基準を満たせば医療費の補助などを受けられることがある
遺伝性出血性末梢血管拡張症(オスラー病)の症状
遺伝性出血性末梢血管拡張症(オスラー病)の検査・診断
- 主な検査
- 血液検査
- 遺伝子検査を行う
CT 、MRI 検査- 各部位からの出血を確認する
- 出血源となりやすい動静脈奇形がないか確認する
- 血液検査