るいのうえん
涙のう炎
涙をためておく涙のうが感染し炎症を起こした状態
4人の医師がチェック 68回の改訂 最終更新: 2017.12.06

涙のう炎の基礎知識

POINT 涙のう炎とは

涙は眼の周りにある腺でつくられて、眼の表面を潤します。いらなくなった涙は眼の内側から鼻に通じる細い管から捨てられます。その涙の通り道の管が何らかの原因でつまってしまったときに、細菌感染がおこることがあります。それが涙のう炎です。眼の内側が腫れて痛くなり、腫れが瞼のほうにまで広がる人もいます。腫れた部分を押すと膿が出てくることもあります。治療は涙の通り道に水を通して洗浄し、同時に抗菌薬の点眼や内服、または点滴を行います。必要であれば、内視鏡検査をすることで原因を確かめ、同時につまりを治す治療を行うこともあります。生まれつきつまっている人と、年を取ってから加齢でつまる人がいます。年を取ってからつまった人の中には、がんが原因でつまってしまった人もいますから、注意が必要です。涙のう炎を疑ったら眼科を受診してください。

涙のう炎について

  • 涙をためておく涙のうが感染し炎症を起こした状態
    • 涙嚢は眼を潤していた涙が鼻腔に流れていくときに通る袋のようなもの
  • 涙嚢炎になると以下の症状が出るようになる
    • 常に涙があふれて止まらなくなる
    • 多量の目やにが出る
  • 細菌の感染が主な原因
  • 慢性と急性に分けられる

涙のう炎の症状

  • 慢性涙のう炎
    • 涙(あまり出ないこともある)
    • の混じった目やに
  • 急性涙のう炎
    • 涙のう(鼻の付け根の部分)の赤い腫れと痛み
    • 大量の目やに
    • 涙のう(鼻の付け根の部分)にたまる膿
    • 発熱を伴うことがある
    • まれに脳髄膜炎を起こすこともある

涙のう炎の検査・診断

  • 鼻涙管通水検査:涙点(涙が出る穴)に生理食塩水などを入れ、鼻やのどの奥に正しく流れていくかどうかを調べる

涙のう炎の治療法

  • 慢性涙のう炎
    • 鼻涙管の通りを良くする
    • 改善が見込めない場合は、涙嚢(鼻の付け根の部分)を取る手術を行う
  • 急性涙のう炎
    • 抗生物質の使用:炎症をおさえる
    • 鼻涙管閉塞があれば、鼻涙管の閉塞を解除する治療(鼻涙管通水検査を繰り返すなど)が行われる

涙のう炎に関連する治療薬

抗菌薬(点眼薬)

  • 細菌増殖を阻害し、抗菌作用をあらわすことで結膜炎などを治療したり、眼の手術前後の細菌感染を予防する薬
    • 細菌の増殖にはDNA複製やタンパク質の合成などが必要である
    • 眼が細菌に感染することで細菌性結膜炎や麦粒腫(ものもらい)などが発症する場合がある
    • 本剤はDNA複製阻害作用など、それぞれの薬剤成分が有する抗菌作用により細菌の増殖を抑える効果をあらわす
抗菌薬(点眼薬)についてもっと詳しく

涙のう炎の経過と病院探しのポイント

涙のう炎が心配な方

涙のう炎では、涙や目やにが多くなり、目頭が赤く腫れたり、痛くなったりします。鼻へと続く涙の通り道が塞がること(鼻涙管閉塞)が原因で、細菌に感染すると涙のう炎が生じます。目頭が赤く腫れる、熱を持っている、痛い、膿が出ているなどの症状があれば、涙のう炎の炎症が強い状態です。まれに感染が広がって失明に至る人もいます。

ご自身が涙のう炎でないかと心配になった時、最初に受診するのは眼科のクリニックや病院が適しています。涙のう炎の診断は問診と診察で行われます。また涙点という涙が出る穴に生理食塩水を入れて、鼻腔や口腔に流れてくるかどうか、つまり涙の通り道が塞がっていないかどうかを確認します。

涙のう炎に関連する診療科の病院・クリニックを探す

涙のう炎でお困りの方

涙のう炎の最初の治療は抗生剤の点眼や飲み薬です。膿が溜まっていれば皮膚を切開して、膿を排出することもあります。また涙のうのマッサージも行われます。このような治療であれば、総合病院ではなくとも眼科のクリニックで十分受けることができます。

抗生剤の点眼や飲み薬で治らない場合や症状が重い場合には、入院して抗生剤の点滴を受けることがあります。そのような場合は入院施設がある眼科のクリニック、または病院を受診する必要があります。最初に受診していたのが入院できないクリニックであった場合、診療情報提供書(紹介状)をもらった上で適切な病院を受診してください。

涙のう炎の原因は涙の通り道が塞がっていること(鼻涙管閉塞)なので、そちらの治療も行われます。鼻涙管閉塞の場合、塞がっている部位にもよりますが、涙道シリコンチューブ留置術という処置や涙のう鼻腔吻合術という手術が行われます。前者であれば通院で可能ですが、後者では入院が必要です。このような治療を行っている眼科の病院を探す、もしくは紹介してもらって受診することになります。

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