だいちょうけいしつしゅっけつ
大腸憩室出血
大腸の壁が一部袋状に外側に出っ張っている部分を大腸憩室と呼ぶ。そこからの出血
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最終更新: 2023.07.25
大腸憩室出血の基礎知識
POINT 大腸憩室出血とは
大腸の壁が一部袋状に外側に出っ張っている部分を大腸憩室と呼びます。憩室の有無や程度には個人差があります。大腸憩室からの出血では通常、腹痛を伴わない血便が出ます。中高年以降の人に多い病気です。診断には腹部造影CT検査や大腸内視鏡検査が行われます。保存的治療(食事をしばらくやめて点滴をする)で血が止まることもありますが、そうでない人は大腸内視鏡(カメラ)を使って止血が行われます。それでも出血が止まらない人は出血の原因となっている血管に塞栓物質を注入したり、手術が行われることがあります。痛みなどの症状がない血便の原因は憩室出血の可能性があります。当てはまる症状がある人は、消化器内科を受診してください。
大腸憩室出血について
- 大腸憩室から血が出て、通常腹痛を伴わない
血便 を生じる - 憩室が多数認められる中高年以降の患者に好発する
大腸憩室出血の症状
血便 - 腹痛がないことが多い
下血 - 便ではなく、血そのものが大量に出てくることもある
大腸憩室出血の検査・診断
- 血液検査
- 腹骨盤部血管ダイナミック
造影 CT 検査- 出血している憩室がどこかを探す
- 大腸憩室出血以外の
血便 の原因がないかを確認する
大腸内視鏡検査 - 大腸の中から出血している憩室を探す
- 大腸憩室出血以外による血便の原因がないかを確認する
- 出血している憩室にクリップをかけて血を止める
腹部血管造影検査 - CT検査や大腸内視鏡検査で出血部位が分かりにくい場合に出血している憩室を探す目的で行われることがある
大腸内視鏡 下でのクリップでの止血術で出血が止まらない場合に動脈から塞栓 物質を注入し、検査と同時に止血を行うことがある
大腸憩室出血の治療法
大腸内視鏡 下クリッピング止血術- 大腸内視鏡下で出血している憩室にクリップをかけて止める
- 選択的動脈
塞栓 術- 出血している憩室の近くに分布する動脈に塞栓物質を注入し止血する
- 大腸内視鏡下クリッピング止血術で血が止まらない場合に行われることがある
- 上行結腸など側副血行路が乏しい部分の結腸ではとくに塞栓に伴う結腸の
壊死 を合併 するリスクがある
- 外科的結腸切除術
- 出血している憩室を含む結腸を切除する
- 大腸内視鏡下クリッピング止血術で血が止まらない場合で、選択的動脈塞栓術が難しいと判断された場合や
合併症 のリスクが高いと判断された場合に行われる