せっぱくりゅうざん
切迫流産
妊娠22週未満で、胎児心拍は確認できるが流産となる可能性の高い状態のこと
1人の医師がチェック 5回の改訂 最終更新: 2021.12.16

切迫流産の基礎知識

POINT 切迫流産とは

妊娠22週未満で、胎児の心拍は確認できるものの、流産となる可能性が高い状態のことを指します。胎児側の原因としては染色体異常や多胎妊娠があり、母体側の原因としては絨毛羊膜炎や頚管無力症、子宮奇形などがあります。切迫流産の主な症状は性器出血や下腹部痛などです。診察や超音波検査で胎児の状態が調べられます。安静にして、子宮収縮を抑える薬が治療として用いられます。切迫流産が心配な人はすみやかに産婦人科を受診してください。

切迫流産について

  • 妊娠22週未満で、胎児心拍は確認できるが流産となる可能性の高い状態のこと
  • 流産の危険性が高い状態を切迫流産という
    • 流産とは妊娠22週未満の場合を示す
  • 原因 
    • 胎児側の原因
      • 染色体異常、多胎妊娠
    • 母体側の異常

切迫流産の症状

  • 性器出血
  • 子宮の収縮
    • 下腹部痛を伴う場合がある

切迫流産の検査・診断

  • 診察
    • 子宮筋の収縮、性器出血の有無を確認する
    • 頸管ポリープの有無を確認する
  • 超音波検査
    • 胎児心拍の有無を確認する
    • 絨毛膜下血腫の有無を確認する
    • 子宮頸管長の確認を行う

切迫流産の治療法

  • 妊娠12週未満の切迫流産に対しての有効な治療方法は現時点では存在しない
  • 安静
    • 特に絨毛膜下血腫を認める場合には有効であるといわれる
  • 薬物療法
    • 黄体ホルモン療法やhCGなどの投与が行われることがある
    • 子宮収縮の自覚がある場合には、子宮収縮抑制薬を用いられる
      • イソクスプリン塩酸塩
      • リトドリン塩酸塩:妊娠16週以降に使用できる。
    • 絨毛膜羊膜炎などの感染が疑われる場合には抗生物質抗菌薬)の投与を行う
  • 手術
    • 子宮頸管無力症や切迫流産の既往がある場合には、子宮頸管縫縮術を妊娠12週以降に行うことがある
  • 自宅で少量の出血(通常の月経時と同等以下の出血)や軽度の腹痛がみられた場合
    • 安静が最も良い治療となるので、夜間に病院などを受診する必要性がないことが多い
    • ただし、出血が多い場合や下腹部痛が強い場合には病院を受診して検査してもらうほうが良い

切迫流産のタグ