しちゅうはいえん
市中肺炎
病院と関わりのない人の肺に感染が起こった状態。
4人の医師がチェック 28回の改訂 最終更新: 2024.05.07

市中肺炎の治療薬情報

痰の塗抹(グラム染色)検査が非常に重要である。20-30分で結果がわかるため、迅速に起炎菌を絞ることができる。

治療適応の選び方

市中肺炎の重症度は以下をもって判断する

◎A-DROP

  • A(Age 年齢):男性は70歳以上、女性は75歳以上
  • D(Dehydration 脱水):BUN >21 mg/dl または脱水あり
  • R(Respiration 呼吸):SpO2 <90%(PaO2 <60Torr) ※酸素投与しないで室内気条件
  • O(Orientation 見当識):意識障害あり
  • P(Pressure 血圧):sBP(収縮期血圧) < 90mmHg

以上の5項目の中で何項目が該当するのかで判断する

  • 0項目:軽症であるため外来で治療する
  • 1-2項目:中等症であるが外来でも治療可能
  • 3項目:重症であるので入院治療
  • 4-5項目:超重症であるのでICUで集中治療を受けるのが望ましい

細菌性肺炎と非定型肺炎(レジオネラ肺炎以外)の見分け方

  • 年齢が60歳未満
  • 基礎疾患がないか、あっても軽いものである
  • 頑固な咳がある
  • 呼吸の音を聴診しても、特に異常がみられない
  • 痰がない、あるいは痰の塗抹検査をしても原因となる細菌が見えない
  • 白血球数が10000/μL未満である

6項目中4項目以上で当てはまるならば非定型肺炎を疑う(血液検査できない場合は、5項目中3項目以上で当てはまるならば非定型肺炎を疑う)

非定型肺炎であった場合は、各々の項を参照

重症度による治療選択の例

軽症の場合

    レボフロキサシン

    レボフロキサシン(点滴or内服)

    投薬期間の目安

    7日間(解熱後3日間を目安とする)

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 500mg/1回
    50≧CCR≧10 500mg*/1回
    10>CCR 500mg*/2日に1回

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重症の場合(インフルエンザウイルスに感染していない場合 )

    セフトリアキソン + アジスロマイシン

    セフトリアキソン(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 2000mg/1回
    50≧CCR≧10 2000mg/1回
    10>CCR 2000mg/1回

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    アジスロマイシン(点滴or内服)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする。

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 500mg/1回
    50≧CCR≧10 500mg/1回
    10>CCR 500mg/1回

    セフトリアキソン + ドキシサイクリン

    セフトリアキソン(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 2000mg/1回
    50≧CCR≧10 2000mg/1回
    10>CCR 2000mg/1回

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    ドキシサイクリン(内服)

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 100mg/2回
    50≧CCR≧10 100mg/2回
    10>CCR 100mg/2回

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    レボフロキサシン

    レボフロキサシン(点滴or内服)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする。

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 500mg/1回
    50≧CCR≧10 500mg*/1回
    10>CCR 500mg*/2日に1回

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重症の場合(ICUに入るほど重症である場合やインフルエンザウイルス感染後に起こった肺炎の場合 )

    セフトリアキソン + アジスロマイシン + バンコマイシン

    セフトリアキソン(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 2000mg/1回
    50≧CCR≧10 2000mg/1回
    10>CCR 2000mg/1回

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    アジスロマイシン(点滴or内服)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする。

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 500mg/1回
    50≧CCR≧10 500mg/1回
    10>CCR 500mg/1回

    バンコマイシン(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 1000mg/2回
    50≧CCR≧10 1000mg/1回
    10>CCR 1000mg/4-7日に1回

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    セフトリアキソン + ドキシサイクリン + バンコマイシン

    セフトリアキソン(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 2000mg/1回
    50≧CCR≧10 2000mg/1回
    10>CCR 2000mg/1回

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    ドキシサイクリン(内服)

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 100mg/2回
    50≧CCR≧10 100mg/2回
    10>CCR 100mg/2回

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    バンコマイシン(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 1000mg/2回
    50≧CCR≧10 1000mg/1回
    10>CCR 1000mg/4-7日に1回

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    レボフロキサシン + バンコマイシン

    レボフロキサシン(点滴or内服)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする。

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 500mg/1回
    50≧CCR≧10 500mg*/1回
    10>CCR 500mg*/2日に1回

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    バンコマイシン(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 1000mg/2回
    50≧CCR≧10 1000mg/1回
    10>CCR 1000mg/4-7日に1回

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