もうそうせいぱーそなりてぃしょうがい
妄想性パーソナリティ障害
他人に対する不信と疑い深さがあり、対人関係を築きにくく、社会生活に問題が起こってしまう状態
3人の医師がチェック 45回の改訂 最終更新: 2019.03.06

妄想性パーソナリティ障害の基礎知識

POINT 妄想性パーソナリティ障害とは

他人の何気ない動機を悪意のあるものとしてとらえるなど、不信と強い疑い深さのために、社会生活に問題が起こってしまう状態のことです。特に、対人関係が上手くいかないことが多いです(具体的な症状は下記参照)。特有の検査はありませんが、自覚症状や周りの人の話から診断が行われます。根本的な治療はありませんが、症状を改善を目的とした治療は心理療法が中心になり、信頼関係の構築が重要になります。妄想性パーソナリティ障害が心配な人やその家族は精神科や心療内科で相談してください。

妄想性パーソナリティ障害について

  • 他人の動機を悪意あるものとして解釈するといった、不信と疑い深さがあり、社会生活に問題が起こってしまう状態(パーソナリティ障害)のなかでも、対人関係がうまく築けない状態
    • いくつかの特徴に当てはまっても、著しく偏って柔軟性がなく持続的で苦痛などを引き起こしているのでなければパーソナリティ障害とは診断しない
  • ほかの病気の影響で行動に変化が現れている場合などは妄想性パーソナリティ障害には含まない
  • 文化的背景などに影響される行動が妄想的と誤解されることがあるが、妄想性パーソナリティ障害によるものではない
  • 明確な原因はわかっていない

妄想性パーソナリティ障害の症状

  • 主な症状の例
    • 十分な根拠もないのに、他人が自分を利用する、危害を加える、だますという疑いを持つ
    • 友人または仲間の誠実さや信頼を不当に疑う
    • 情報が自分に不利に用いられるという根拠の無い恐れのために他人に秘密を打ち明けたがらない
    • 悪意のない言葉や出来事の中に、自分をけなすまたは脅す意味が隠されていると考える
    • 侮辱されたこと、傷つけられたこと、軽蔑されたことを許さず恨みを抱き続ける
    • 自分の性格または評判に関して他人にはわからないような攻撃を感じ取り、すぐに怒って反応する
    • 配偶者やパートナーの貞節に対して繰り返し道理に合わない疑念を持つ

妄想性パーソナリティ障害の検査・診断

  • 診断を確定できるような、妄想性パーソナリティ障害に特有の検査はない
  • 症状や周りの人の話を聴取することで診断する

妄想性パーソナリティ障害の治療法

  • 主な治療
    • 心理療法が治療の中心となり、治療者との信頼関係が非常に大切になる
    • 被害妄想、不安感、怒りなどの症状が強い場合は症状軽減のために薬を使う場合もあるが、根本的に治療できるわけではない

妄想性パーソナリティ障害が含まれる病気

妄想性パーソナリティ障害のタグ

からだ

妄想性パーソナリティ障害に関わるからだの部位