うし(むしば)
齲歯(虫歯)
歯垢の中の細菌が作り出す酸によって歯のエナメル質が溶け出した状態
8人の医師がチェック 51回の改訂 最終更新: 2021.07.30

Beta 齲歯(虫歯)のQ&A

    う歯(虫歯)の原因、メカニズムについて教えて下さい。

    お口の中にはミュータンス菌という常在菌がいます。このミュータンス菌は、食べ物の残りかすに含まれる糖を取り込み、プラークという細菌の塊を作ります。この細菌の塊が酸を発生させ、歯を溶かしていきます。

    う歯(虫歯)は、どのくらいの頻度で起こる病気ですか?

    う歯(虫歯)の原因となるプラーク(細菌の塊)は、通常8時間から1日かけてできます。そのため、1日放置してしまうと歯が少し溶けてしまうこともあります。「1日1回は歯をみがきましょう」と言われるのはこのためです。

    う歯(虫歯)と歯周病の違いについて教えて下さい。

    う歯(虫歯)とは、酸によって歯のエナメル質が溶け出した状態のことを指します。一方で、歯周病は歯の周りの骨が溶かされていく病気です。そのため、歯自体が溶けるう歯(虫歯)と歯周病は全く違う病気です。

    う歯(虫歯)が発症しやすくなる、またはう歯(虫歯)の人が他に注意すべき病気はありますか?

    う歯(虫歯)の原因は、ミュータンス菌という常在菌にあります。これは誰もがもともと口の中に持っているものですが、赤ちゃんにはありません。そのため、親からの口うつしや親が使った箸などを介して、赤ちゃんに菌が移ってしまうことがあります。

    う歯(虫歯)は、他人にうつる病気ですか?

    基本的にうつることはありません。しかし、う歯(虫歯)の原因菌は赤ちゃんにはいませんが、親の使った箸などで菌がうつってしまうことがあるので、注意が必要です。

    う歯(虫歯)の、初期症状はどんなものですか?

    歯の表面が白く濁ってきます。人によっては黄色く見えることもあるます。この時点でしみることはあまりありませんが、人によってはしみると感じる人もいます。そのままにしておくと歯が溶けはじめ、その段階でう歯(虫歯)に気づく方が多いです。

    う歯(虫歯)の、その他の症状について教えて下さい。

    う歯(虫歯)をそのままにしておくと、しみたり、歯が欠けるといった症状を引き起こします。また、歯が溶けてしまうことで隙間が生まれ、詰め物が外れてしまうこともあります。

    う歯(虫歯)が放置されて重症化すると、どのような症状が起こりますか?

    重症化し、菌が全身に広がることで敗血症と呼ばれる状態に陥り、まれですが命に関わることがあります。

    う歯(虫歯)の進行を放置すると、歯の中の神経が刺激によって死んでしまいます。その後炎症が大きくなると骨が溶け、膿がたまることもあります。その膿が顎にまでまわってしまうと、顎炎や上顎洞炎などを引き起こす原因となります。

    う歯(虫歯)は、どのように診断するのですか?

    視診や触診、レントゲン撮影によって診断します。しかし、金属などが入っている場合はレントゲンにうつりにくいため、判断が難しい場合もあります。

    う歯(虫歯)と診断が紛らわしい病気はありますか?

    神経のない歯は虫歯になっても症状があらわれません。そのため、突然歯が崩れてしまったという人も少なくありません。

    う歯(虫歯)の、その他の検査について教えて下さい。

    最近は、レーザーなどによって穴の状態や色を判別し、う 歯(虫歯)を診断できる機器もあります。初期の虫歯に反応することに加え、う歯(虫歯)の進行度を数値で表すことができるため、信頼感があります。

    う歯(虫歯)と診断が紛らわしい病気はありますか?

    神経のない歯は虫歯になっても症状があらわれません。そのため、突然歯が崩れてしまったという人も少なくありません。

    う歯(虫歯)の治療法について教えて下さい

    治療法は基本虫歯を取るということです。

    虫歯の大きさに応じて大きく分けて次のふたつがあります。

    • 虫歯を取ってプラスチックの詰め物を詰める。
    • 虫歯を取って型どりをして、詰め物かかぶせものをつける。

    う歯(虫歯)のプラスチックを詰める治療法について教えて下さい。

    あまり大きな範囲でプラスチックを詰めると、強度が弱いため割れたり、再度虫歯になってしまうことがあります。

    う歯(虫歯)は、再発を予防できる病気ですか?

    フロスを通したり、詰め物と歯の境目をよく磨いたりすることが、再発の予防には有効です。

    また、定期的な検診によってチェックすることが大切です。目で見るだけでは分からない部分もあるため、レントゲン検査も重要です。

    う歯(虫歯)に関して、日常生活で気をつけるべき点について教えて下さい。

    自分に合った歯ブラシを使うことが大切です。また、たとえ電動歯ブラシを使っていたとしても、磨き方が大変重要になります。口の小さい人・大きい人、歯の小さい人・大きい人など、人の口は同じということはありません。歯科医に相談して、自分に合った歯ブラシを使うことが大切です。