はいほうびせきしょう
肺胞微石症
肺の中の細かな袋状の構造物である肺胞の中に、リン酸カルシウムで出来た微細な石が溜まることで肺がダメージを受ける病気
2人の医師がチェック 53回の改訂 最終更新: 2017.12.05

肺胞微石症の基礎知識

POINT 肺胞微石症とは

肺胞微石症は本来空気の入る肺胞に、体内でできたリン酸カルシウムを主成分とする微細な石がたまってしまう病気です。肺胞に異物が入ることで呼吸がうまくできなくなってしまいます。初期は特に症状を自覚することはありませんが、進行すると段々と呼吸不全が起こります。すると、息切れや胸痛などを感じるようになります。 画像検査や遺伝子検査を行い診断する場合もありますが、診断を確定させるためには肺の組織を採取する検査(肺生検)を行って顕微鏡検査を行います。肺胞微石症を根治させる治療はないので、息切れなどを自覚したら酸素療法や人工呼吸器管理を行います。肺移植が検討される場合もあります。肺胞微石症が心配な人や治療したい人は、呼吸器内科を受診して下さい。

肺胞微石症について

  • 肺の中の細かな袋状の構造物である肺胞の中に、リン酸カルシウムを主成分とする微細な石が溜まる病気
    • 本来は呼吸のために空気が出たり入ったりする肺胞に石が溜まることで呼吸がうまくできなくなる
    • 遺伝性(常染色体劣性遺伝)の病気であると考えられている
    • II 型肺胞上皮細胞にのみある、SLC34A2遺伝子の異常が原因と考えられている
  • 非常にまれな病気で、日本で今までに発症したのは100人程度である
    • 世界で600例ほどの報告がある

肺胞微石症の症状

  • 初期は無症状のことが多い
    • 進行すると呼吸不全による息切れをきたす
    • 肺高血圧症合併して、手足などのむくみが見られることもある

肺胞微石症の検査・診断

  • 家族歴の確認
    • 常染色体劣性遺伝という遺伝形式で遺伝する病気なので、血縁者での病歴を十分に確認する
  • 画像検査
    • 胸部レントゲンX線)検査、胸部CT検査で微細な結石がありそうか確認する
    • 日本では子どものときにレントゲンで石を指摘されて診断されることが多い
  • 必要に応じて肺生検(肺を一部分採取する検査)を行い顕微鏡で微細な結石を確認する
    • 肺生検は気管支内視鏡胸腔鏡下外科的肺生検などで行われる
  • 遺伝子検査
    • SLC34A2という遺伝子の異常の有無を調べる

肺胞微石症の治療法

  • 現段階で根治する治療法はなく、呼吸困難などに対して在宅酸素療法(HOT)や非侵襲的陽圧換気(NIPPV)などの補助療法を行う
  • 肺移植も検討されるが、移植が必要なほど病気が進んだ段階ではある程度高齢であり、肺移植の適応にはならないことも多い
  • 肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチンなど感染症の予防が重要
  • 呼吸器リハビリテーションを行い、呼吸機能、運動機能の維持を図る
  • 数十年かけて少しずつ悪くなっていく病気なので、長期的な精神面のケアも重要

肺胞微石症のタグ

肺胞微石症に関わるからだの部位