くろう・ふかせしょうこうぐん
クロウ・フカセ症候群(POEMS症候群)
免疫を担当する形質細胞の異常により、手足の神経障害や全身のむくみなどをきたす病気
6人の医師がチェック 58回の改訂 最終更新: 2018.02.15

クロウ・フカセ症候群(POEMS症候群)の基礎知識

POINT クロウ・フカセ症候群(POEMS症候群)とは

形質細胞は、血液中に含まれる免疫グロブリンと呼ばれる免疫物質を作る細胞です。クロウ・フカセ症候群では、形質細胞の異常により、血管内皮増殖因子と呼ばれる特殊なタンパク質が異常に多く作られます。この異常なタンパク質により、手足のしびれや動かしにくさ、全身の臓器が腫れる、内分泌的な障害、皮膚病変などが出現します。診断は採血検査、画像検査、骨髄検査などを用いて総合的に行います。珍しい病気なので治療法は確立していませんが、骨髄移植や抗がん剤による治療が中心となります。クロウ・フカセ症候群が心配な方や治療したい方は血液内科を受診してください。

クロウ・フカセ症候群(POEMS症候群)について

  • 異常な形質細胞が、血管内皮増殖因子(VEGF: vascular endothelial growth factor)という特殊なタンパク質を多く作ることが原因と考えられている
    • 形質細胞は、白血球の一種であるBリンパ球が成長して出来る細胞
    • 形質細胞は本来、免疫グロブリンという免疫に関わるタンパク質を産生する
    • この病気の原因はまだ十分に解明されていない
  • アメリカのCrow(クロウ)博士と、京都大学の深瀬先生が報告した病気なので、Crow-Fukase症候群と呼ばれている
    • 高月病と呼ばれることもある
  • 海外では特徴的な症状の頭文字をとって、POEMS(ポエムス)症候群と呼ぶことが多い
    • P:Polyneuropathy 多発神経炎
    • O:Organomegaly 臓器の腫大
    • E:Endocrinopathy 内分泌的な障害
    • M:Monoclonal protein M蛋白という異常な蛋白質が血液や尿で検出される
    • S:Skin change 皮膚症状
  • 2004年に厚労省が行った調査では、日本で340人ほどの患者さんがいる
    • 珍しい病気のため、診断がつかず見逃されているケースもあると推定されている
    • 男性が女性に比べて約2倍、患者数が多い
    • 平均発症年齢は40-50歳くらいだが、30-80歳代まで幅広い年齢層で発症する
    • 海外よりも、日本で比較的多い病気である
  • 厚生労働省の指定難病であり、病状によって治療費の補助を受けられる

クロウ・フカセ症候群(POEMS症候群)の症状

  • 主な症状
    • P:Polyneuropathy 多発神経炎
      ・手足の痺れ
      ・力の入りにくさ
    • O:Organomegaly 臓器の腫大
      ・肝臓や脾臓が腫れて、お腹が張る
      ・全身のリンパ節が腫れる
    • E:Endocrinopathy 内分泌的な障害
      ・男性で乳房が膨らんでくる、甲状腺病変ができる
      ・性機能が低下する
    • M:Monoclonal protein M蛋白という異常な蛋白質が血液や尿で検出される
    • S:Skin change 皮膚症状
      ・皮膚が黒ずむ
      ・体毛が増える
      毛細血管が拡張する
  • その他の症状
    • 骨の一部に病変ができる
    • 全身にむくみが出る
    • 胸水腹水がたまる
  • 多くの症状が出現しうるが、多発神経炎による症状が最も目立つことが多い

クロウ・フカセ症候群(POEMS症候群)の検査・診断

  • 主な検査
    • 血液検査
    • 骨髄穿刺生検
      ・腰骨や胸の骨に針を刺して骨髄を採取し、顕微鏡で確認する
    • 末梢神経伝導速度検査
      ・多発神経炎の有無や程度を調べる
    • 神経生検
      ・多発神経炎の有無や程度を詳しく調べる(神経を採取して顕微鏡で確認)
    • 画像検査
      CT検査やMRI検査で全身の病変の有無を調べる

クロウ・フカセ症候群(POEMS症候群)の治療法

  • 比較的珍しい病気であるため、確立された治療法はない
  • 65歳以下で十分に体力があると考えられる場合には骨髄移植が検討される
  • 骨髄移植が施行できない場合には抗がん剤による治療が主体となる
    • サリドマイド、レナリドミド、ボルテゾミブ、ベバシズマブなどが使用される
  • 腫瘍が塊を形成している場合には、手術による摘出や放射線治療を行う場合もある
  • ゆっくりと進む病気であり、生命予後は診断から10年以上あると言われている
    • ただし神経障害により生活の質は低下することが多い


クロウ・フカセ症候群(POEMS症候群)のタグ


クロウ・フカセ症候群(POEMS症候群)に関わるからだの部位

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