ぱらこーとちゅうどく、じくわっとちゅうどく
パラコート中毒、ジクワット中毒
除草剤の一種であるパラコートによる中毒。毒性が強く、死亡例も多い
1人の医師がチェック 3回の改訂 最終更新: 2018.07.10

パラコート中毒、ジクワット中毒の基礎知識

POINT パラコート中毒、ジクワット中毒とは

除草剤の一種であるパラコートによる中毒です。胃腸や皮膚から吸収されて、全身の様々な臓器にダメージを与え、多臓器不全で亡くなるケースも少なくありません。便利で安価な除草剤なので20世紀後半には広く用いられていましたが、現在は危険性が高いためほとんど使われません。 パラコート中毒の症状として、服薬直後は激しい吐き気、皮膚や粘膜の潰瘍が出ます。数日経つと、肝臓、腎臓、副腎などの臓器にダメージが出てきます。数日から数週間かけて肺へのダメージが目立ち始め、亡くなる場合には呼吸不全で亡くなることが多いです。 パラコート中毒の診断としては、パラコートを摂取していないか、状況をよく確認することが最も重要です。吐物が青緑色になることも特徴的です。確定診断としては、尿中パラコートの有無や量を調べることが行われます。 治療としては、パラコートの解毒薬は存在しないので、摂取してすぐであれば速やかに胃腸を洗浄することが重要になります。その他、症状に応じた補助的な治療を行います。パラコートを摂取してしまったかもしれない方は速やかに救急科を受診してください。

パラコート中毒、ジクワット中毒について

  • 1965年に発売され、除草剤市場を占有してきた英国発祥の除草剤
    • 自殺や犯罪などにも使われ、1980年代には日本での年間死者数は1,000人を超えた
  • 1986年、毒性の軽減が行われる
    • 毒性の低いジクワットとの複合剤として発売
    • 濃度の希釈以外にも、誤飲防止のため青緑色色素、苦味剤、臭気性物質、催吐剤が混入
    • パラコートとジクワットは似ている物質だが、パラコートの方が毒性が高く、肺にダメージを与えやすい
  • 1986年の1,202人をピークに死亡者は減少
    • 1997年には400人以下に減少
  • 正しく農薬として散布する際の事故はほとんど起きていない

パラコート中毒、ジクワット中毒の症状

  • 服薬直後
    • 激しい嘔吐(青緑色)、舌や口の中に潰瘍ができる
    • 食道に穴が開く
  • 数日後
    • 肝臓や腎臓にダメージが起きる(尿が減る、血尿が出る、全身が黄色くなる)
    • 意識がぼんやりしてくる
  • 数週間以内
    • 肺にダメージが起きる(息苦しい、動悸など)

パラコート中毒、ジクワット中毒の検査・診断

  • 尿中のパラコートの分析
    • 確定診断に有用

パラコート中毒、ジクワット中毒の治療法

  • 徹底的な胃洗浄、小腸洗浄
    • 摂取後1時間以内に行えれば有効と考えられる
  • 血液吸着(透析)は極めて効率が悪いが、ほかに有効な治療法がないので行われることも多い
  • パラコートは皮膚からも吸収されるので、介助や治療にあたる人は手袋とマスクの着用が必須

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