ぺるてすびょう
ペルテス病
大腿骨頭(太ももの骨の上端)で骨が壊死して崩れてしまう病気。成長期に起きやすい
5人の医師がチェック 30回の改訂 最終更新: 2022.03.11

ペルテス病の基礎知識

POINT ペルテス病とは

大腿骨頭(太ももの骨の上端)が壊死ししてしまう病気のことで、成長期に多いです。大腿骨頭に栄養を送る血液の流れが何らかの原因によって悪くなるために生じ、4歳から8歳に多く見られます。ほとんどが片脚に起こりますが、両脚に起こることもあります。受動喫煙との関係が指摘されていますが、詳しいことはまだ明らかではありません。ペルテス病になると、股関節に痛みが現れ、正常に歩けなくなったりします。疑われた人には、画像検査(レントゲン検査やMRI検査、CT検査)が行われます。骨の変形がなければ、1年から2年で原因の血流不良が改善し、症状が緩和していきます。痛みが強い時期には股関節を引っ張ることによる牽引療法を行い、その後は股関節の負担を軽減するために装具をつけて日常を過ごします。骨の修復が不十分な場合は、手術が検討されます。股関節の痛みなどのためにペルテス病が心配な人は整形外科を受診してください。

ペルテス病について

  • 大腿骨頭(太ももの骨の上端)で骨が壊死して変形してしまう、成長期に起きる病気
    • 大腿骨頭に栄養を送る血液の流れが何らかの原因によって悪くなるために生じる
  • 頻度
    • 2〜12歳に見られ、特に4〜8歳に多い
    • 男性では女性の5〜10倍ほど多い
    • ほとんどが片脚だが、両脚に起こることもある
    • 喫煙世帯に多く、受動喫煙との関連が指摘されている

ペルテス病の症状

  • 主な症状
    • 股関節の痛み(特に付け根が痛くなる)
    • 股関節の曲がる範囲の制限
    • 正常に歩けなくなったり、進行すると歩行が難しくなる

ペルテス病の検査・診断

  • 主な検査
    • レントゲン検査
      • 股関節の部分で、大腿骨頭の変形を確認する
    • MRI検査
      • 早期診断や他の疾患と見分けるために有用である
  • 鑑別が必要な疾患

ペルテス病の治療法

  • 悪化による骨の変形がなければ、1〜2年で血流が改善する
    • 痛みが強く股関節の動きに制限が見られる時期は、入院して牽引療法(足を長軸方向に引っ張る)を行う
    • その後、通院での装具療法(股関節への負荷を避け、大腿骨頭を正常な形に修復させることなどを目的に、装具を用いる)に移行
    • 少なくとも1年は継続して装具を使い続ける(レントゲン上で骨が正常化するには約3年を要する)が、骨の修復が不十分の場合には手術を行う
  • 想定される経過
    • 一般に低年齢で発症した場合などは経過が良いことが多い
    • 高年齢で発症した場合は手術が必要となりやすい
    • 変形が残ってしまうと、変形性股関節症につながり、痛みが慢性化することになる

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