もうまくしきそへんせい
網膜色素変性
網膜に異常があり、視野が狭くなったり、視力が低下したりする遺伝性の病気
3人の医師がチェック 32回の改訂 最終更新: 2018.10.24

網膜色素変性の基礎知識

POINT 網膜色素変性とは

網膜は目の一番奥にある膜のことで、カメラでいうところのフィルムの役割を持ちます。網膜色素変性症は網膜に異常がみられる遺伝性の病気です。主な症状は「暗いところでものが見えにくい」、「視野が狭くなる」、「視力が低下する」といったもので、数年から数十年かけて緩やかに進行すると考えられています。診断には眼底検査や視野検査、視力検査、網膜電図などが行われます。根本的な治療は現在のところみつかってはいないので、進行を遅らせるためにくらいところに順応しやすくする薬やビタミンAなどが用いられます。網膜色素変性は眼科で診療が行われます。

網膜色素変性について

  • 網膜に異常があり、視野が狭くなったり、視力が低下したりする遺伝性の病気
    • 日本では、10万人あたり15-20人程度の患者がいると報告されている
  • 原因となる遺伝子は40種類以上見つかっており、遺伝形式は様々である
    • 常染色体優性遺伝
    • 常染色体劣性遺伝
    • X染色体劣性遺伝
    • 家族内に他に患者がおらず、遺伝形式が不明な場合(孤発例)も多い
  • 上記のように、遺伝形式はさまざまな種類が確認されており、原因となる遺伝子の異常の種類によってそれぞれ症状や程度も異なる
  • 国の指定する特定疾患(難病)の一つである
  • 網膜色素変性症では、国からの医療費の助成制度を受けることができる。
    • 視力が0.6以下と症状の程度によって助成を受けられるかが決まるので、主治医に相談する必要あり

網膜色素変性の症状

  • 主な症状
    • 夜盲:暗いところでものが見えにくくなる
    • 視野狭窄:視野が狭くなる
    • 視力低下
  • その他の症状
    • 羞明:異常にまぶしさを感じる
    • 白内障合併
  • 数年から数十年かけて緩やかに症状が進行する

網膜色素変性の検査・診断

  • 主な検査
    • 眼底検査:眼の奥の網膜と血管の状態を観察する
    • 視野検査
    • 視力検査
    • 網膜電図:眼の神経から脳に送られる電気信号を調べる検査

網膜色素変性の治療法

  • 根本的な治療法は現時点で実用化されていない
    • 症状の進行を送らせる為に、ヘレニエン(暗いところに順応しやすくする薬)・ビタミンA・循環改善薬の内服などが行われる
  • 残っている眼の機能を活かす為に、遮光眼鏡(まぶしさを和らげる)や通常の眼鏡などを使用する
  • 現在、さまざまな治療法(遺伝子治療・幹細胞移植・人工網膜など)が研究されている

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