こんぱーとめんとしょうこうぐん
コンパートメント症候群
手足の骨折や出血などの影響を受けて筋肉が皮膚の内側で腫れ上がり、血管を押しつぶして、血液が流れなくなってしまう状態
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最終更新: 2022.03.23
コンパートメント症候群の基礎知識
POINT コンパートメント症候群とは
手や足の骨折や出血などの影響を受けて筋肉が腫れて、血管が押しつぶされて、血液が流れなくなる状態のことです。血液の流れが悪くなってしばらくすると、その部分が酸素・栄養不足から壊死がはじまります。骨折や打撲、強い圧迫によって起こることがあります。コンパートメント症候群が起こると、悪化する痛みや感覚異常、麻痺、手足の先が冷たくなるなどの症状が現れます。疑われた人には筋区画内の圧力検査が行われ、これは診断において重要です。コンパートメント症候群と診断された場合には筋膜切開といって圧力を外に逃がす治療が必要になります。コンパートメント症候群は一刻を争う病気なので、疑った場合は整形外科や救急科を受診してください。
コンパートメント症候群について
- 手足の骨折や出血などの影響を受けて筋肉が皮膚の内側が腫れ上がり、血管を押しつぶして血液が流れなくなってしまう状態
- 損傷した部分が腫れる
浮腫 により、筋膜に囲まれた区画(コンパートメント)内の圧力が増大する- 細胞への血流が遮断され、浮腫のさらなる悪化を招く
- 細胞に流れ込む血液の量が少なくなると、筋肉が死滅する
- 分類
- 急性コンパートメント症候群
- 骨折や
打撲 、強い圧迫などが原因で起こりやすい
- 骨折や
- 慢性コンパートメント症候群
- 激しい運動や、頻繁なトレーニングなどによって起こりやすい
- 急性コンパートメント症候群
コンパートメント症候群の症状
- どんどん悪化する痛み:初めに見られる症状として代表的
- 感覚異常(しびれ)
- 指先や手足がうまく動かせない(
麻痺 ) - 手足の先が冷たくなったり白くなる
- 脈が触れない
- これらの5症状、英語の頭文字をとって5Psと呼ぶ
- 5Psに加えて、筋肉を伸ばした時に痛みが増強する症状が見られることもある
コンパートメント症候群の検査・診断
- 視診・触診:見た目や触った感じから大方の目処をつけられることも多い
- 筋区画内の圧力測定
レントゲン 検査:鑑別診断 が必要な場合に行われることがある
コンパートメント症候群の治療法
- 手術
- 筋膜切開術:筋膜を切開することで筋区画内の圧を下げ、血流を保つように図る
- 筋肉は血流の途絶えた時間が6-8時間以上になると、不可逆的な(元に戻れない)変化をきたしてしまう
- 放置しておくと手足が
壊死 し、切断が余儀なくされる重篤な状態となる- 一度コンパートメント症候群になり血流がなくなってしまったら、自然
治癒 や薬で治癒することはほとんどなく、緊急手術が必要となる
- 一度コンパートメント症候群になり血流がなくなってしまったら、自然
コンパートメント症候群のタグ
コンパートメント症候群に関わるからだの部位
