たんのうせんきんしょう
胆のう腺筋症
胆のうの壁が厚くなる病気で、胆嚢炎や胆石症の原因となることがある
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最終更新: 2023.03.08
胆のう腺筋症の基礎知識
POINT 胆のう腺筋症とは
胆のう腺筋症は胆のうの壁が厚くなる病気のことで、胆のうに慢性的に炎症が起こることが原因だと考えられています。厚くなった範囲によって限局型と分節型、全般型の3つに分かれます。無症状のこともありますが、右上腹部痛や吐き気、お腹の張りといった症状が現れることがあります。腹部超音波(エコー)検査やCT検査、MRI検査などを行い胆のうの状態が調べられます。症状がない人は経過を見ますが、胆のう炎をともなう人には手術が行なわれます。胆のう腺筋症の疑いがあると言われた人は消化器内科や消化器外科を受診してください。
胆のう腺筋症について
- 胆のうの壁が厚くなる病気で、胆のう炎や胆石症の原因となることがある
- 胆のう壁の慢性炎症が原因で起こると考えられている
- 胆のうの粘膜上皮が胆嚢壁の筋肉の層にも増殖したRokitansky-Ashoff洞(RAS)と呼ばれるものが増えると起こる
- 病気は以下の3つに分類される
- 限局型:胆のうの底部に限局した腫瘤を形成
- 分節型:胆のうの頚部や体部が厚くなり内腔が狭くなる
- 全般型:胆のうの全体が厚くなっている状態
- 約90%に胆石を伴う
胆のう腺筋症の症状
- 一般的には何か他の病気が重ならなければ無症状で経過する
- 胆のう炎を発症した場合に起こる症状
- 右上腹部の違和感や痛み
- 吐き気
- 腹部膨満感
胆のう腺筋症の検査・診断
- 画像検査:胆のうの状態を調べる
- 腹部超音波検査
- 健診などでまず行われる
- 腹部CT検査
- 局所的な壁肥厚の有無を調べ、胆のう腺筋腫症の可能性があるかどうかや悪性を疑うような所見がないかを調べる
- 胆のう腺筋腫症に特徴的とされるRokitansky-Aschoff sinus (RAS)の有無についての評価は難しい
- 腹部MRI (MRCP)検査
- 胆のう腺筋腫症に特徴的とされるRokitansky-Aschoff sinus (RAS)の有無を調べるのに有用である
- 腹部超音波検査
- 内視鏡検査
- 内視鏡的逆行性胆管膵管造影 (ERCP)では胆汁の通り具合を調べる
胆のう腺筋症の治療法
- 無症状の場合は積極的な治療はしない
- 胆のう炎を伴う場合は胆のう摘出術を行う
- 腹腔鏡下胆のう摘出術が可能であればこれを行う
- 炎症が強い場合は、通常のお腹を大きく切って行う手術を行う
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