裂肛がなかなか治らずに慢性化すると、肛門狭窄と呼ばれる状態が生じることがあります。
裂肛の傷が治る時には、その周囲の粘膜が多少引きつれて、周りを引っ張り込むような形で粘膜が再生します。傷ができては治り、ということを繰り返すと、そのたびに粘膜が引っ張られて、本来は柔らかく伸び縮みする肛門の皮膚が、硬く縮こまってしまうことになります。
この状態を、肛門狭窄と呼びます。肛門狭窄を治療するためには手術が必要です。
また、裂肛の前後にポリープのようなものができることがあります。裂肛の手前側(肛門の周囲)には俗に「見張りイボ」と呼ばれる余分な皮膚状のものが、そして、裂肛の奥側には肥大乳頭ポリープと呼ばれるいぼ状のものが、いずれも裂肛が慢性化した時にできやすいことが知られています。