さこう
鎖肛
直腸及び肛門の先天的な形態異常の総称。肛門の穴が空いていない、もしくは穴が非常に小さい、位置がずれているなどの状態を指す
4人の医師がチェック 37回の改訂 最終更新: 2018.10.09

鎖肛の基礎知識

POINT 鎖肛とは

肛門の穴が開いていない、穴が小さい、位置がずれているといった先天的に異常な状態のことです。鎖肛は約5000人に1人の割合で起こるとされています。その程度によって症状は変わりますが、便が細い、お腹が張る、嘔吐などがみられます。尿道や膣から胎便(生まれた直後の便)が出ることもあります。視診(見た目の診察)や超音波検査や造影検査などを用いいて診断が行われます。治療は鎖肛の程度によって変わりますが、手術が主体です。鎖肛が疑われる子どもは小児外科で診療が行われます。

鎖肛について

  • 直腸及び肛門の先天的な形態異常の総称
    • 肛門の穴が空いていない
    • 肛門の穴が非常に小さい
    • 肛門の位置がずれている
  • 発生頻度はおよそ5,000出生に対して1例程度と言われており、男児に多い
  • 腸が閉じている場所(直腸末端)の位置による分類で、3つに分類される
    • 高位型:直腸盲端肛門括約筋の上方に位置
    • 中間位型:直腸盲端が肛門括約筋群の直上に位置
    • 低位型:直腸末端が恥骨直腸筋を貫く
  • 泌尿器系の臓器を含めた他の先天異常が一緒に存在することがある
    • 男児であれば直腸と膀胱や尿道の間に孔ができることがある
    • 女児であれば直腸と子宮や腟との間に瘻孔ができることがある
    • 高位型の場合60-80%に合併奇形を認める

鎖肛の症状

  • 多くの場合、外から見て肛門がないことが分かる
    • 小さな穴が開いている場合は、便が細いことやお腹が張る、嘔吐するなどの症状で見つかることもある
  • 孔がある場合は、生まれて直後の便(胎便)が尿道や腟から出ることがある
  • 腸の張りが強くなると腸穿孔(腸に穴が空くこと)を起こして腹膜炎になることもある

鎖肛の検査・診断

  • 診断や詳しい状態を調べるために画像検査を行う
    • 腹部超音波検査
    • 造影レントゲン検査
      ・直腸末端の位置や、孔の有無などを調べる

鎖肛の治療法

  • 治療法は直腸末端の位置によって変わる
    • 低位型の場合
      ・新生児の時に根治手術が行われる
    • 中間位型、高位の場合
      ・新生児の時に人工肛門を形成し、体が大きくなってから根治手術を行うことが多い
      ・根治手術を行う体重の目安は6kg程度以上であり、人工肛門は閉鎖できる
  • 低位型や中間位型では手術後の排便が良好にできる場合が多い
    • 高位型では肛門括約筋の発達などが悪く、便失禁の排便障害が残る場合がある

鎖肛のタグ

鎖肛に関わるからだの部位

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