さいとめがろういるすもうまくえん
サイトメガロウイルス網膜炎
サイトメガロウイルスの感染が原因で網膜に炎症が起こる病気
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最終更新: 2017.08.09
サイトメガロウイルス網膜炎の基礎知識
POINT サイトメガロウイルス網膜炎とは
ヘルペスウイルスの仲間のサイトメガロウイルス(CMV)が網膜に感染することで起こる病気です。網膜の細胞が死んでしまい、ひどいと失明してしまうこともあります。CMVは、日本人の70~90%の人は小さい子供の時に家族などからもらって、そのまま持っていますが、何の症状もないまま一生過ごす人がほとんどです。健康な人がCMV網膜炎になることは非常にまれで、患者さんのほとんどが病気や、病気の治療のために免疫不全状態にある人です。また、まれにお母さんが妊娠初期に、人生で初めて感染すると、胎盤を通して赤ちゃんに感染し、網膜炎をおこすことがあります。治療は眼科や感染症科で抗ウイルス薬の点滴治療と、免疫不全がある人はその治療も行います。また、網膜剥離を起こすこともあり、眼科手術が必要となることもあります。
サイトメガロウイルス網膜炎について
- サイトメガロウイルスが
網膜 に感染する病気発症 すると網膜が壊死 に陥り失明 にいたる
- 感染の原因
- 胎児が母体内にいるときに胎盤を通して感染する
先天性 のもの - 何らかの原因で
免疫 力が落ちている時に、それまで潜伏感染 していたウイルス が症状 を起こす後天性 のもの- 日本では成人の約90%が潜伏感染している
- ほとんどの人がウイルスを体内にもっているが、自分の免疫力のおかげで病気を発症していない状態
- 胎児が母体内にいるときに胎盤を通して感染する
サイトメガロウイルス網膜炎の症状
- 視力低下
飛蚊症 (視界に小さなゴミのようなものが浮遊する)- 進行すると
網膜 の壊死 、視力の喪失
サイトメガロウイルス網膜炎の検査・診断
眼底検査 :目の中の状態を調べる- 血液検査
ウイルス 抗原を調べる- PCR法を用いた
ウィルス DNAを調べる
- 多くの人がサイトメガロウイルスを血液中に持っているので、本当にサイトメガロウイルスが感染したのかを
症状 や背景から総合的に判断する必要がある - 他のウイルスによる
網膜 感染症 と区別する必要がある
サイトメガロウイルス網膜炎の治療法
- 抗
ウイルス 薬(ガンシクロビルなど)の内服や点滴- ガンシクロビルはウイルスの増殖を抑制するためのものではあるが、ウイルスを殺すものではない
- 早期に中止すると再発することがある
免疫 不全が背景にある場合は、これの改善が必要
サイトメガロウイルス網膜炎に関連する治療薬
サイトメガロウイルス治療薬
- ウイルスの増殖に必要なDNA複製を阻害し、サイトメガロウイルス感染症を治療する薬
- サイトメガロウイルスはヘルペスウイルスの一種で特に免疫が弱っている状態で感染すると肺炎、網膜炎などを引き起こす場合がある
- ウイルスの増殖には遺伝情報をもつDNAの複製が必要となる
- 本剤はDNA複製に必要な酵素(DNAポリメラーゼ)を阻害し抗ウイルス作用をあらわす
- 腎機能の状態などによって薬剤の投与量を変更する場合がある
サイトメガロウイルス網膜炎が含まれる病気
サイトメガロウイルス網膜炎のタグ
サイトメガロウイルス網膜炎に関わるからだの部位
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