じんじょうせいかんせん
尋常性乾癬
皮膚が赤褐色になったり、表面に白い垢のようなものが厚く付着したりする病気。その一部がボロボロと剥がれ落ちるのが特徴
6人の医師がチェック 109回の改訂 最終更新: 2018.08.30

Beta 尋常性乾癬のQ&A

    尋常性乾癬の治療の基本を教えてください。

    ステロイドの塗り薬とビタミンDのぬり薬(正確には活性型ビタミンD3製剤)を使うのが基本です。赤いガサガサが強いときには強めのステロイドのぬり薬を使い、普段の症状を抑えるにはビタミンDの塗り薬を使うことが多いです。治療の仕方は症状や医師の方針によって異なります。

    尋常性乾癬は何が原因で起こるのですか?

    皮膚の免疫異常が原因と言われています。Th17というタイプのリンパ球が活性化することが原因で、炎症が起こり、皮膚が厚くなるとされています。

    尋常性乾癬に対して、ステロイドやビタミンDの塗り薬の他にはどのような治療の選択肢がありますか?

    症状が広範囲に出現していて、ぬり薬の治療では抑えきれない場合、紫外線を当てる治療法、飲み薬や注射薬を使うことがあります。いずれも保険が効きます。注射薬は2010年以降発売となり、効果が非常に高いということで注目を集めています。

    尋常性乾癬に対する紫外線療法とはどのような治療ですか?

    ナローバンドUVBという特定の波長の紫外線を当てる機械を使います。脚など一部に当てるタイプ、全身に当てるタイプの機械が皮膚科のクリニックや病院にあります。週に2-3回ほど、1回あたり数十秒〜数分で治療は完了します。エキシマレーザーという体のごく一部にのみ紫外線を当てる機械を使うこともあります。

    尋常性乾癬に対して、どのような飲み薬が使われるのですか?

    「ネオーラル」という免疫を抑える薬や「チガソン」というビタミンAの誘導体を使います。ネオーラルでは高血圧や腎障害、チガソンでは肝障害や高脂血症といった副作用がありますので、採血をしながら使う必要があります。注射薬よりは効果が劣ります。

    最近尋常性乾癬に対する注射薬が話題になっていますが、どのような薬なのでしょうか?

    2010年以降に発売になった新しい薬で、乾癬の原因となっている特定の分子を抑えることで皮膚に出現している症状を治療します。そのため、「分子標的薬」とも呼ばれます。また、ヒトの免疫における主役である「抗体」を治療に応用しているので「生物学的製剤」とも言われています。TNFを抑える「レミケード」と「ヒュミラ」、IL-12とIL-23を抑える「ステラーラ」、IL-17Aを抑える「コセンティクス」という4種類の注射薬が保険適応となっています。レミケードは点滴、ほかの3つは皮下に注射します。注射の間隔は治療初期と維持期、注射の種類によって異なりますが、多くのケースで最終的には2週間〜3ヶ月に一度の注射で症状をコントロールできるようになります。

    尋常性乾癬に対する注射薬には副作用はないのですか?

    従来の飲み薬であるネオーラルやチガソンに比べると副作用が少ないです。飲み薬と異なり、特定の乾癬に関係のある分子の働きだけを抑えるからです。レミケードやヒュミラを使うと体の中にある「結核」が活性化して、症状が出ることがまれにあります。注射薬を使う場合には胸のレントゲンや採血を定期的に行います。

    尋常性乾癬は「治癒」しますか?

    現在の治療では、治療薬を使わなくても皮膚の症状が出ないように完治することは困難です。治療薬を上手に使い分けて、症状が出ない状態を続けることが大切です。

    尋常性乾癬と湿疹はどう違うのですか?

    尋常性乾癬の特徴として、①周囲の正常な皮膚との境界がはっきりしている、②皮膚表面のがさがさや盛り上がりが強い、③頭皮、肘、膝に現れるのが典型である、という点が挙げられます。湿疹は顔、首、肘の裏や膝の裏と典型的に症状が現れる場所が異なります。湿疹では長期間症状が出ると次第に茶色っぽく、ごわごわしてきますが、乾癬では症状が続いた場合でも赤く、表面の白い皮膚のガサガサが目立つのが特徴です。かゆみは湿疹のほうが一般的には強いですが、乾癬でもかゆみが強い場合があります。治療にステロイドのぬり薬を使うという点もよく似ていますが、乾癬ではビタミンDのぬり薬も有効です。

    尋常性乾癬では皮膚以外に症状がありますか?

    乾癬患者の数%に、皮膚の症状以外に関節の痛みを伴うことがあります。膝や指など、どの関節にも痛みや腫れが出現する可能性があります。また、爪が変形することが多いのも乾癬の特徴です。

    尋常性乾癬で皮膚以外の全身に影響はありますか?

    乾癬患者では肥満、糖尿病、高脂血症、高血圧といった生活習慣病のリスクが上がるとい研究結果が出てきています。今後、さらに研究によるデータが蓄積していくと考えられます。