こうとうにゅうとうしゅ
喉頭乳頭腫
ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって生じる、声帯の良性の腫瘍。声帯に生じるために発生の障害が起きる。
7人の医師がチェック 79回の改訂 最終更新: 2017.12.06

Beta 喉頭乳頭腫についての医師コメント

喉頭乳頭腫は、HPV(ヒトパピローマウイルス)6または11型が原因です。11型の場合、再発や増殖速度が早いという報告もあります。発症時期の違いにより若年型と成人型に分類されます.若年型を若年性喉頭乳頭腫と呼び,病理組織学的には両者の間に明らかな差はありません.若年型は生後 6 カ月~5 歳までに多く、再発しやすく、広く増殖することがあり、呼吸困難の原因となることがあります。思春期以降に自然寛解することが多く、癌化はまれでです。1歳ころのお子さんで嗄声(声のかすれ)きっかけで発見されたお子さんもいます。全身麻酔で繰り返し、切除したり、レーザーで蒸散させましたが、かなりの回数の手術を経て今はようやく落ち着いてきました。この病気は1回の治療で制御できることは少ないため、慎重に経過を見守る必要があります。お子さんに喉頭乳頭腫のために気管切開を行うことはできるだけ避けるようにしています。
成人型の場合も、単発性よりも多発性・再発性のほうが多く,癌化の報告はまれです(ウイルスのタイプが異なります)。成人の場合も、手術治療が必要ですが、薬剤治療を併用することにより効果が高まる可能性があります。残念ながら抗ウイルス薬のシドフォビルが海外で認可されていますが、日本では未承認です。ヨクイニンという漢方薬やインターフェロンによる治療も報告されていますが、有効性についてはまだはっきりしていません。
レーザーはCO2レーザーをはじめとして、KTP/YAG/グリーンレーザーなど、様々なものでの治療報告があります。


匿名協力医師
実際の治療例
2015.05.04