ゲームキーパー母指(母指MP関節尺側側副靭帯損傷)の基礎知識
POINT ゲームキーパー母指(母指MP関節尺側側副靭帯損傷)とは
親指の突き指の一種類です。親指の第二関節の内側を痛めた状態のことです。ゲームキーパーは狩猟場の番人のことで、その職業病として知られていたので、この名前がついています。現代では、スキーのストックを持ったままひねることで起こったり、バレーボールやバスケットボールで起こりやすいです。親指に腫れや青あざ、痛みが現れます。レントゲン検査やMRI検査によって靭帯や骨の状態が詳しく調べられ、怪我の程度によって治療法が変わります。例えば、靭帯が切れている場合は靭帯をつなぎ直し、骨のずれが大きい場合には手術でずれを整復します。 ゲームキーパー母指が心配な人は整形外科を受診してください。
ゲームキーパー母指(母指MP関節尺側側副靭帯損傷)について
- 親指の突き指の一種で、親指の第二関節の内側(
内側側副靭帯 )を痛めた状態- 素手でウサギの首の骨を折る狩猟場の番人(ゲームキーパー)の職業病であったことから名づけられた
- 近年では、スキーのストックを持ったまたひねることで起こる場合がある
- その他のスポーツでは、バレーボール・バスケットボール・ラグビー・野球などで親指を外側へひねった際に発生することがある
- 分類
- 骨と骨を結ぶのが
靭帯 だが、それが完全に切れてしまった場合 - 障害はあるが少なくとも部分的につながっている場合
- 上記の2つの場合で
症状 が異なる
- 上記の2つの場合で
- 骨と骨を結ぶのが
ゲームキーパー母指(母指MP関節尺側側副靭帯損傷)の症状
- 親指の付け根(第二関節)の内側の
症状 - 安静時、運動時の痛み
- 腫れ
- 青あざ(
皮下出血 )
- 完全に
靭帯 が切れてしまった場合- 指が適切でない方向へ曲がってしまう
- そのためにつまむ、握るといった動作がうまくできなくなる
ゲームキーパー母指(母指MP関節尺側側副靭帯損傷)の検査・診断
- まず行う検査:骨の状態、関節の状態を調べる
レントゲン 検査- 指を曲げさせた状態で撮影(ストレス撮影)することで、
靭帯 の障害の程度が分かる 造影 剤を関節の付け根に注入した上でレントゲン撮影を行い、靭帯の断裂部位を確認することがある
- 指を曲げさせた状態で撮影(ストレス撮影)することで、
- さらに詳しく調べるために行う検査
MRI 検査:靭帯の障害を調べる
ゲームキーパー母指(母指MP関節尺側側副靭帯損傷)の治療法
- 主な治療法
靭帯 が切れていない場合- ギプスなどで固定する
- 靭帯が切れている場合
- ギプスなどで固定するとつかむ力が低下し、変形性関節症に移行してしまう可能性があるので、手術を行うケースが多い
- 手術後にリハビリテーションが必要
- 治った後でも、スポーツの種目によってはテーピングなどで保護することが望まれる
ゲームキーパー母指(母指MP関節尺側側副靭帯損傷)の経過と病院探しのポイント
ゲームキーパー母指(母指MP関節尺側側副靭帯損傷)が心配な方
母指MP関節尺側側副靭帯は、親指の付け根の骨同士をつないでいる靱帯です。これが切れてしまうと関節が不安定になってしまうため、手術で靱帯を繋ぎ直す必要があります。
親指にケガを負って大きく腫れている場合には、まずは整形外科のクリニックや、お近くの救急外来を受診されることをお勧めします。受診先として、総合病院の救急外来は相対的に待ち時間が少ないというメリットもある一方で、専門の整形外科医ではなく広く浅く診察をする救急医が初期対応に当たることになります(日中は救急外来が開いていないこともあります)。総合病院の整形外科外来は、飛び込みで受診するには患者数が多く(待ち時間が長く)、また診療情報提供書(紹介状)を持っていないと受診ができなかったり、追加料金が必要となったりします。
実際に母指MP関節尺側側副靭帯損傷(ゲームキーパー母指)だった場合には指の添え木固定か、重症であれば手術が必要となります。最初に受診した医療機関で手術の必要性を判断し、もし必要ありということになれば近くでそのような処置を行っている病院を紹介してくれます。まずは近くの整形外科医を受診して判断を仰ぐのが良いでしょう。
ゲームキーパー母指(母指MP関節尺側側副靭帯損傷)でお困りの方
診断の結果が母指MP関節の尺側側副靭帯損傷だった場合、多くの場合は添え木で固定して治療を行います。しかし、靱帯の切れ方によってはこれを縫い合わせる手術が必要です。これには一般の整形外科医ではなく、「手の外科」という分野を専門としている医師が適しています。筋肉や骨、腱の処置を専門とするのが整形外科医ですが、手の手術にはより繊細で特別なスキルを要するために手外科専門医という認定資格が設けられています。
手術の後には手に添え木を当てて指の動かせる範囲を固定する期間と、リハビリテーションを行う期間があります。そこでは作業療法士などのリハビリテーションの専門家と連携しながら進めていくことになります。