さいはつせいたはつなんこつえん
再発性多発軟骨炎
全身の軟骨に炎症が起こる病気。
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最終更新: 2022.03.16
再発性多発軟骨炎の基礎知識
POINT 再発性多発軟骨炎とは
全身の軟骨が腫れたり、痛くなることを繰り返す病気です。耳や鼻の軟骨に症状が現れることが多く、症状が持続すると耳や鼻の変形につながります。また、耳や鼻以外では気道や心臓にも炎症が起こることがあります。疑われる人には血液検査、レントゲン検査、CT検査、気管支鏡検査、心臓超音波検査などが行われます。治療としては非ステロイド性抗炎症薬、ステロイド、免疫抑制薬などの薬剤を使用します。気になる方はリウマチ内科、膠原病内科を受診してください。
再発性多発軟骨炎について
- 全身の
軟骨 に炎症 が起こる病気- 特に耳や鼻、気管にある軟骨に炎症が起こることが多く、自然軽快を繰り返す
- 軟骨に含まれるコラーゲンに対する異常な
免疫 反応が起こっている可能性がある - 日本での患者数は400-500人でまれな病気
再発性多発軟骨炎の症状
- 耳に起こる症状
耳介 軟骨 (耳の上のあたりの固いところ)が赤く腫れて痛みが出たり、変形したりする- 腫れは数日で治まる場合も、数週間続く場合もある
- 関節に起こる症状
- 指や膝の関節に痛みや腫れが出る
- 鼻に起こる症状
- 鼻の軟骨に
炎症 が起きて、鼻の通りが悪くなったり鼻水が出たりする - 炎症が繰り返されると、鼻の付け根のあたりがへこむ(鞍鼻)
- 鼻の軟骨に
- 目に起こる症状
- 気道に起こる症状
- 喉頭(のど)や気管の軟骨に炎症が起き、声がかれたり息苦しくなったりする
- 心臓、血管に起こる症状
- 身体のさまざまな部位の血管に炎症が起き、心臓の弁の働きが悪くなったり、動脈瘤ができたりする
再発性多発軟骨炎の検査・診断
- 血液検査:
炎症 反応(CRP 、赤沈 の上昇)を調べる CT 、MRI 検査:鼻や気管に炎症が起こっていないかを調べる- 眼科で目の炎症がないか詳しく検査する
聴力検査 :聴力に障害が起きていないか調べる心臓超音波検査 :心臓の働きが悪くなっていないかを調べる生検 検査:軟骨 での炎症細胞を確認する気管支鏡 検査:気管の炎症所見 の確認や気道狭窄、気管の軟化の有無を確認する
再発性多発軟骨炎の治療法
- 症状が軽度の場合は、消炎鎮痛薬 (
NSAIDs ) で経過を見る - 気道や心臓、血管の症状が出てくると命に関わる危険性があるため、
免疫 を抑える治療が必要となる 炎症 が強く、目や気管、心臓などに障害が出ている場合ステロイド薬 の内服を行う
- 症状が重篤な場合
- 点滴のステロイド薬を使う
ステロイドパルス 療法 - 免疫抑制薬
- メトトレキサート
- シクロフォスファミド
- シクロスポリン
- アザチオプリン など
- 生物学的製剤(インフリキシマブ、トシリズマブなど)が有効であったとする報告もある
- 点滴のステロイド薬を使う
- ステロイド薬や免疫抑制薬を使うと、
細菌 やウイルス などの感染症 にかかりやすくなるため、感染症への予防も必要となってくる