きんせいしゃけい
筋性斜頚
首の筋肉(胸鎖乳突筋)が縮んでしまった影響で、首を傾けた姿勢を自然ととってしまう病気のこと
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最終更新: 2022.03.11
筋性斜頚の基礎知識
POINT 筋性斜頚とは
首の筋肉が縮んでしまった影響で、自然に首を傾けた姿勢をとってしまう病気のことです。生後2週間から3週間の子どもに発症し、逆子(骨盤位)で産まれてきた子どもに多いとされています。いつも首が同じ方向に傾いている、首のしこりなどが主な症状です。触診によって診断が行われます。一般的には特別な治療をせずに様子を見ることで自然に治ることがほとんどです。1歳になっても症状が改善しない場合は手術(胸鎖乳突筋に切れ込みを入れる)を行います。筋性斜頸が心配な人は小児科や整形外科を受診してください。
筋性斜頚について
筋性斜頚の症状
- いつも首が同じ方向に傾いてしまう
- 首にしこりがある
- 重症の子どもでは、まれに
背骨 が曲がることがある
筋性斜頚の検査・診断
- 触診:筋肉(胸鎖乳突筋)を手で触って異常がないか調べる
- 首の可動域検査:首の動く範囲を調べる
筋性斜頚の治療法
保存治療 - 一般的には特別な治療をせずに、自然に治るのを待つことが多い
- 筋性斜頚の90%以上は自然に治る
- 4~5歳で
症状 が出ることもある - 1歳を過ぎても症状が消えないことがある(20人に1人程度)
- 手術
- 1歳になっても症状が消えない場合には専門医を受診して、胸鎖乳突筋切腱術を行うことがある
- 胸鎖乳突筋切腱術:硬く縮んでしまった胸鎖乳突筋に切り目を入れて筋肉を長くする手術
- 1歳になっても症状が消えない場合には専門医を受診して、胸鎖乳突筋切腱術を行うことがある
- その他
- マッサージは他の組織を傷つける可能性があるため行わない
- 子どもが向いている方向と逆の方向から刺激(呼びかけやテレビなど)を与えると良い