こうさんきゅうせいたはつけっかんえんせいにくげしゅしょう(ちゃーぐすとらうすしょうこうぐん)
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(チャーグストラウス症候群)
好酸球という白血球の一種が全身の血管を攻撃することで起こる病気。喘息との強い関連が示唆されている
9人の医師がチェック 191回の改訂 最終更新: 2019.07.24

Beta 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(チャーグストラウス症候群)についての医師コメント

40代女性、アレルギー性鼻炎の既往がある。両下肢に紫斑、関節痛が出現し、皮膚科を受診した。血液検査上末梢血中の好酸球増多を認め、紫斑を皮膚生検した。好酸球の浸潤を認め、EGPAが疑われた。その後左下肢の感覚鈍麻、筋力低下も出現し、各種血液検査の結果からもEGPAと診断された。
ステロイドによる治療で症状は改善傾向で、感覚鈍麻や筋力低下も改善したが、元通りには戻らず、痛み止めの内服や装具の着用を要した。
こういった後遺症は残ったものの他の症状は改善し、重篤な臓器合併症もなく経過している。
EGPAでは特に腎臓の病気を伴い予後に影響することもあるので注意が必要です。


匿名協力医師
実際の治療例
2015.05.10

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)は、主に小血管をおかす血管炎で、治りにくい病気として知られています。ソチ五輪の際、竹内択選手がこの病気であることを公表したことで知った方も多いかと思います(今は病気の名前が変わりつつあるのでEGPAというとわからないかもしれませんが)。
ステロイドに対する反応は比較的良好ですが、診断が遅れ、治療が遅れると非常に問題となります。脳出血や腎不全などで死亡することもあるので、やはり早期診断、早期治療が必要です。血管炎は原因不明の発熱や体重減少、関節痛、筋肉痛などで発症することが多く、非特異的な症状が多いためなかなか診断がつかないことが多いです。疑わしければ膠原病の専門医を紹介受診するとよいでしょう。


匿名協力医師
患者さんへのメッセージ
2015.05.10