Beta 髄膜腫についての医師コメント
髄膜腫は、良性腫瘍(転移しない)であることが多く、大きくなるのもゆっくりな腫瘍です。基本的に脳の外にできる腫瘍なので、脳を傷つけずに手術ができることもあります。
ただし、出来る場所によって、治療の難易度にかなりの幅があります。
脳の表面にできたものの場合は、危険性も低いと言え、頭痛や麻痺、けいれんなどの症状を呈するようであれば治療が必要となります。
脳の深部に出来た場合や、神経を巻き込んでいる場合には、全部取りきることが難しくなり、また手術に伴う合併症のリスクも高くなります。手術前に血管内治療を行ったり、手術後に放射線治療を追加したりと治療戦略もさまざまです。
ひと口に髄膜腫と言っても、上記のように出来る場所や難易度がさまざまなので、脳神経外科医によって治療の考え方がかなり違うことがあります。
また髄膜腫の中にも、たまに再発しやすいものや早く大きくなるものがあります。
手術でとった腫瘍細胞を顕微鏡で見て(病理検査)、最終的な診断や再発の可能性がわかります。
治療を受けるとしても、治療の必要性や難易度、再発の可能性、再発した場合の治療などについて、医師からよく説明を受けて下さい。不安があれば他の医師にも説明を受ける(セカンドオピニオン)こともおすすめします。
2015.02.27
脳腫瘍と聞くとほとんどの患者さんはかなりびっくりしてしまうことが多いかと思いますが、髄膜腫はその中でも最も多い良性腫瘍でして、手術、放射線治療、経過観察など様々な組み合わせの中から最適な治療を選ぶ必要があります。
医師、患者がともに髄膜腫の自然史を理解し、互いにそれについて合意していることが重要です。すなわち、髄膜腫が体にできてから、本人が亡くなるまでどのような経過をたどるのか、ということです。髄膜腫が原因で亡くなる方は、かなり稀ですから、髄膜腫の治療というのは、命を守る為ではなく、亡くなるまでの脳の機能を守るために治療をします。
その判断に関しては、医師による個人差がありますので、セカンドオピニオンが重要な疾患の一つだと思います。
2015.02.06