2016.02.07 | ニュース

高齢者が車の運転をやめるとうつになりやすい?

55歳以上のドライバーを対象に検証

from Journal of the American Geriatrics Society

高齢者が車の運転をやめるとうつになりやすい?の写真

車を運転することは高齢者にとって自立度や生活の満足度に関係しているという事が報告されています。運転をやめてしまうと高齢者ドライバーの健康にどのような影響があるかが報告されました。

◆運転と高齢者の健康

今回の研究では、研究論文データベースにある16件の論文が調査対象となりました。運転をやめた高齢者の健康にどのような影響があるかを調べた研究からデータが集められ、解析が行われました。

 

◆運転をやめるとうつになりやすい

次の結果が得られました。

運転をやめることは一般的な健康状態、身体的、社会的、認知的機能の低下、そして、長期にわたる施設への入所、死亡率と関連していることが報告された。

運転をやめる事とうつの関係を調べた5個の研究論文から集められたデータのメタ分析によると、運転をやめると高齢者のうつになるリスクが約2倍だった(要約オッズ比=1.91、 95%信頼区間=1.61-2.27)。

高齢者が運転することをやめると健康状態に悪影響をもたらし、うつになるリスクが増えることが報告されました。

 

高齢者が運転をやめてしまうと健康に様々な悪影響をもたらすことが考えられます。運転をやめたあとも、高齢者の自立度や生活の満足度を保つ方法を探ることが重要かもしれません。

執筆者

宮本 望都喜

参考文献

Driving Cessation and Health Outcomes in Older Adults.

J Am Geriatr Soc. 2016 Jan 19. [Epub ahead of print]

[PMID: 26780879]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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