◆79人のデータを解析
研究チームは、切除手術できない大きな肝内胆管がんがあり、放射線治療を受けた患者さん79人の2002~2014年までのデータを評価しました。
診断時の平均腫瘍サイズは7.9 cm(範囲,2.2〜17cm)、患者さんのうち70人は放射線治療の前に全身化学療法を受けました。放射線の線量35~100Gy(中央値,58.05 Gy)を3~30分割で照射しました。
◆高線量の治療で生存率が向上
以下のような結果が得られました。
分析時の生存患者の追跡期間中央値は33ヶ月(範囲、11〜93ヶ月)。診断後の全生存期間中央値は30ヶ月、3年生存率は44%である。照射線量は、最重要な予後因子である。高線量照射が、局所制御(LC)とOSの改善とに関連した。3年全生存率は、80.5 Gyより高い生物学的効果線量(BED)を受けた患者が73%で,より低い線量を受けた患者では38%だった(P=0.017)
有意な治療関連毒性はなかった。
高線量の放射線治療は、手術できない肝内胆管がん患者さんの生存率の延長につながるという結果でした。調査時点で、対象者が研究に参加してから最長93か月が経過していました。
放射線治療技術・画像誘導の進歩により、放射線障害のでにくいぎりぎりの限界・スケジュールが工夫されてきました。今後もっと生存率が上がるかもしれません。
執筆者
Ablative Radiotherapy Doses Lead to a Substantial Prolongation of Survival in Patients With Inoperable Intrahepatic Cholangiocarcinoma: A Retrospective Dose Response Analysis.
J Clin Oncol. 2016 Jan 20.
[PMID: 26503201]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。