肥満じゃないと思っていても…6%の人の死亡リスクが見逃されている!?

肥満はさまざまな病気の原因になり、死亡にもつながります。通常はBMI(体重÷身長の2乗)を基準に判定されますが、その方法ではほかの基準で判定できる死亡リスクを見逃すことが報告されました。
◆肥満はウエストを基準に?
研究班は、
対象者41,439人の体型と経過のデータを解析することで、BMI基準の肥満があるかないか、またウエスト基準の肥満があるかないかによって死亡リスクが変わっているかを調べました。
◆6%が「BMI肥満なし・腰囲肥満あり」
次の結果が得られました。
分布は、BMI基準で肥満なし・腰囲基準で肥満なしが73%、BMI肥満なし・腰囲肥満ありが6%、BMI肥満あり・腰囲肥満なしが6%、BMI肥満あり・腰囲肥満ありが15%だった。
BMI肥満なし・腰囲肥満なしの人に比べて、全死亡と
心血管疾患 による死亡のリスク増加が、BMI肥満なし・腰囲肥満あり(全死亡のハザード比1.2、95%信頼区間1.2-1.3、心血管疾患死亡のハザード比1.3、95%信頼区間1.1-1.6)、BMI肥満あり・腰囲肥満あり(1.3、1,3-1.4、1.7、1.5-1.9)の人で見られた。
対象者のうち6%が、BMI基準では肥満ではないと判定されましたが、ウエスト基準では肥満であると判定されました。その人たちでは、BMI・ウエストともに肥満ではない人に比べて、死亡率が1.2倍に高くなっていました。
研究班は「現行の全人口肥満モニタリングは、死亡リスクが増加しているBMI肥満なし・腰囲肥満ありの人を見逃す」と結論しています。
医学的に治療が必要とされるほどの肥満に対処するうえでは、体重だけでなくウエストの変化にも気を付けたほうがよいのかもしれません。
執筆者
Quantifying the proportion of deaths due to body mass index- and waist circumference-defined obesity.
Obesity (Silver Spring). 2016 Mar.
[PMID: 26833753]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。