◆300万人15年のデータを調査
研究班は、スウェーデンの登録データを使って、3,054,328人の女性について、子宮頚がんの細胞診の結果と、その後15.5年の経過を調べました。
最初の検査で異常が見つかった場合に、子宮頚がんが診断される割合を求めました。検査の異常として、異型腺細胞、高度扁平上皮内病変、軽度扁平上皮内病変の3種類それぞれについて調べました。
◆高度扁平上皮内病変があるとその時点で2.5%、15.5年で3.3%
次の結果が得られました。
異型腺細胞があった女性では子宮頚がんの有病率は1.4%であり、高度扁平上皮内病変があった女性(2.5%)よりは低かったが、軽度扁平上皮内病変があった女性(0.2%)より高かった。異型腺細胞と関連した有病例の73.2%は腺がんだった。
最初に異常が見つかった人のうち、子宮頚がんがあった割合は、異型腺細胞があった人で1.4%、高度扁平上皮内病変があった人で2.5%、軽度扁平上皮内病変があった人で0.2%でした。
また検査から15.5年後までに子宮頚がんが発生した割合は、異型腺細胞があった女性では2.6%、高度扁平上皮内病変があった女性では3.3%、軽度扁平上皮内病変があった女性では0.7%でした。
まれにしかない病気を発見する検査では、検査の異常が指摘されても病気はない場合が相対的に多くなります。この結果は細胞診の結果を理解する手掛かりになるでしょう。
また、すぐには子宮頚がんと診断されなかった場合にも、何年か経って子宮頚がんが発生する人がいたことも数字に表れています。もし検査で異常が見つかったときには、長期的に気を付けるべきことを考えるためにも、こうした数字が役に立つかもしれません。
執筆者
Risk of invasive cervical cancer after atypical glandular cells in cervical screening: nationwide cohort study.
BMJ. 2016 Feb 11.
[PMID: 26869597]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。