◆高血圧が血管をもろくする!?ラクナ梗塞が起こる原因について解説
ラクナとはラテン語で「小さい空洞」という意味を持ちます。ラクナ梗塞とは、主に穿通枝と呼ばれる脳の血管の中でも細い血管が詰まることで起きる脳梗塞です。細い血管が詰まるため、脳梗塞になる範囲もアテローム血栓性脳梗塞や心原性脳梗塞などと比べて狭いことが特徴です。
ラクナ梗塞を発症する主な原因は高血圧です。高血圧の状態が長く続くと、血管の壁に常に高い圧力が加わります。細い血管の壁に長期的に高い圧力が加わると、壁が傷つき分厚くなる動脈硬化を引き起こします。動脈硬化を起こした血管はもろく、血栓などにより詰まりやすくなります。このような状態になった細い血管が詰まってラクナ梗塞を発症すると考えられています。
◆細い血管の脳梗塞だからといって安心はできない!?ラクナ梗塞の症状について解説
ラクナ梗塞は他のタイプの脳梗塞と比べて、小さな脳梗塞であるため、症状が全く現れず、気づかないということも少なくありません。一方で血管が詰まった場所によっては、身体の半身が思うように動かなくなる片麻痺や呂律が回りにくくなる言語障害などが出現することもあります。しかし、一般的に太い血管が詰まるわけではないので、発症した際に意識の状態が悪くなるほど重篤な状態になることは少ないです。
◆どんな治療が行われるの?ラクナ梗塞の治療方法について解説
血液の塊を出来にくくする抗血小板療法やリハビリテーションを用いてラクナ梗塞を治療します。
また、意識ははっきりしている場合が多いので、早期からの積極的なリハビリテーションも開始されます。リハビリテーションは、身体の状態を管理しながら、廃用症候群の予防(寝ている時間が長いことで、筋力やその他の身体機能が低下するといった症状が見られます)や日常生活動作(歩く、立つ、階段の上り下り、家事動作、入浴など)の練習、外出練習(公共交通機関の利用や買い物など)、言葉の練習などを行います。
ラクナ梗塞はアテローム血栓性脳梗塞や心原性脳梗塞に比べて、脳梗塞の範囲が小さいため軽症のケースが多いです。症状が小さいがために気づかないうちに脳の細い血管が詰まってしまっているということもありえます。ラクナ梗塞を予防するには原因である高血圧の治療などが有効に働く可能性があります。
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※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。