2015.12.27 | ニュース

血中ビタミンDの量が脂肪肝患者の肥満度を決める?

韓国での調査から
from Clinical nutrition (Edinburgh, Scotland)
血中ビタミンDの量が脂肪肝患者の肥満度を決める?の写真
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非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)患者は血中ビタミンD濃度が低下します。このメカニズムは分かってないのですが、著者らはNAFLD患者にビタミンD摂取量を少なくした効果を調べました。すると、予想と異なる結果になりました。

◆NAFLD患者82名を対象に調査

著者らは以下の方法を用いました。

新規NAFLD患者82名を対象に、食事制限プログラムを行いました。その過程で、血中25ハイドロキシビタミンDの量やビタミンDの摂取量、身体活動能力等の観察を行いました。25ハイドロキシビタミンDは活性型ビタミンDの前段階にあたるビタミンDで、酵素の働きで活性型ビタミンDとなります。有効に働くのは主に活性型ビタミンDです。

 

◆25ハイドロキシビタミンD濃度が低いとメタボリックシンドロームになりやすい

著者らは以下の結果を得ました。

[...] 10ng/ml未満の25ハイドロキシビタミンD濃度の患者は、10ng/mlより多い濃度の患者と比較して、腹部肥満のリスクが増加し(72.4% vs 47.2%, P = 0.023)、また高いメタボリックシンドローム有病率を示した(69% vs 42.2%, P = 0.015)。[...] 体重増加および肝内脂肪の低下と共に血中ビタミンD濃度が増加したが、ビタミンD摂取の低下とは関係がなかった。

つまり25ハイドロキシビタミンD濃度が低いと腹部の肥満が増加し、メタボリックシンドロームである率が高くなりました。また食事制限期間中ビタミンD摂取量は少なくなったのですが、体質が改善され血中の25ハイドロキシビタミンD濃度は高くなる結果も得られました。

ビタミンDの摂取量が減っても血中ビタミンD濃度が下がらないという意外な結果がありました。その一方で、NAFLD患者における血中ビタミンD濃度の低下が腹部肥満の増加とメタボリックシンドローム発症に関わる事が示されました。

 

活性型ビタミンDが脂肪細胞を減らす役割も報告されていますが、今回示された25ハイドロキシビタミンD濃度上昇と体質改善との関連は不明です。NAFLDだからビタミンD濃度が減るのか、ビタミンD濃度が減るからNAFLD肥満になりやすくなるのか、更なる研究が望まれます。

執筆者

高田

参考文献

Vitamin D deficiency in non-alcoholic fatty liver disease: The chicken or the egg?

Clin Nutr. 2015 Nov 11

[PMID: 26615912 ]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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