◆ACS患者164人を対象に分析
今回の研究では、ACSで入院した患者164名を対象に、6ヶ月以内に心臓の病気で再入院した人の特徴を調査し、楽観的な気質と身体活動量との関連性を分析しました。
◆元気で再入院せずにいられるかは楽観的な人が有利
研究の結果から次のことが分かりました。
ベースラインの身体活動、社会人口統計学的、医学的、悲観的心理の共変量によって補正し、ベースラインで楽観的な人は6ヶ月経過時点での活動性の高さと有意に関連していた(n=153、β=102.5;95%信頼区間13.6-191.5、p=0.024)。年齢、性別、内科的併存症により補正すると、ベースラインで楽観的である人は心臓の病気による再入院率が低いこととも関連していた(ハザード比は0.92、95%信頼区間0.86–0.98; P値0.006)。
楽観的な人ほど、ACSの発症6ヶ月後時点での活動性が高く、再入院率も低いという結果でした。
ACSを発症した後、抑うつ症状や不安感情をいだきながら生活し、活動性が低下してしまうことが問題となるケースがあると言われています。悲観的な気質を持つACS後の患者さんに対する効果的な治療法が確立されていくことを期待します。
執筆者
Effects of Optimism and Gratitude on Physical Activity, Biomarkers, and Readmissions After an Acute Coronary Syndrome.
Circulation. 2015 Dec 15
[PMID: 26646818]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。