◆8歳のいじめと16歳以降の精神症状の関係
この研究は、フィンランドの5,034人の対象者について、8歳から29歳までの調査データを解析しました。
8歳時点でいじめをする・されることと、16歳以降で精神の症状により専門機関を受診することの関連が検討されました。
◆いじめで将来のうつが1.9倍
次の結果が得られました。
性、家族要因、8歳時点の精神症状で調整した解析において、何らかの精神科的治療と、いじめを頻繁に受けること(ハザード比1.9、95%信頼区間1.4-2.5)、いじめをしたこともされたこともあること(ハザード比2.1、95%信頼区間1.3-3.4)に関連が見られた。いじめを受けることは特にうつ症状と関連した(ハザード比1.9、95%信頼区間1.2-2.9)。
8歳でいじめを頻繁に受けていた子どもは16歳以降で精神科の治療を受ける場合が多くなっていました。また、8歳でいじめを受けていた子どもは、16歳以降でうつ症状が現れる率が1.9倍になっていました。
いじめの深刻な影響の一端が表れているのかもしれません。いじめを受けているときはもちろん、将来にわたっても悪い影響を防ぐため、有効な対策が望まれます。
執筆者
Association of Bullying Behavior at 8 Years of Age and Use of Specialized Services for Psychiatric Disorders by 29 Years of Age.
JAMA Psychiatry. 2015 Dec 9 [Epub ahead of print]
[PMID: 26650586]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。