◆2型糖尿病に構造化ケアは有効か?
構造化ケアとは、個別の目標やそれぞれの症状に合わせて、決められたルールに沿いながら、ケアを行うことです。
今回の研究では、2型糖尿病患者1,381人を対象に構造化ケアを行う群と通常のケアを行う群に分けて治療を行い、その後13年間追跡できた970人を調査しました。 構造化ケアは、通常のケアに加えて、個別の目標設定や医師からの継続的な医学知識の教育を行いました。
◆女性では構造化ケアで死亡する危険性が減る?
以下の結果が得られました。
女性では、構造化個別ケアを行うと、ルーチンケアと比較して、糖尿病関連エンドポイント全体(0.65、p=0.004、調整済み;1年で1000人あたり73.4 vs 107.7人)、糖尿病関連死亡(0.70、p=0.031;34.6 vs 45.7)、全原因死亡(0.74、p=0.028;55.5 vs 68.5)、脳卒中(0.59、p=0.038、15.6 vs 28.9)が低くなったが、男性ではそれが見られなかった。
女性では、構造化ケアを行うと糖尿病に関連した死亡率が減りましたが、男性では通常のケアとの違いは見られませんでした。
様々な病気に関係する糖尿病ですが、特別な薬や機械を使わなくても行える方法で、死亡率を下げられる可能性があるかもしれません。
執筆者
The impact of gender on the long-term morbidity and mortality of patients with type 2 diabetes receiving structured personal care: a 13 year follow-up study.
Diabetologia. 2015 Nov 26
[PMID: 26607637]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。