2015.11.27 | ニュース

RSウイルスはワクチン接種で防ぐことができるのか?

アメリカの研究チームが330人のデータを分析

from The Journal of infectious diseases

RSウイルスはワクチン接種で防ぐことができるのか? の写真

RSウイルス感染症は、主に乳幼児が感染し発熱や咳などを引き起こす病気です。確立された治療法はなく、ワクチンも開発段階です。今回の研究は、RSウイルス感染症に対する予防ワクチンの有効性を検証しました。

◆RSウイルスにワクチンは有効か?

今回の研究では、18歳から35歳の女性330人を対象に、RSウイルスの予防ワクチンの効果を検証しました。

ワクチンは、用量や添加物を少しずつ変えた9種類またはプラセボを使い、それぞれで結果を見ました。

 

◆RSウイルスの予防ワクチンにより感染率を減少できる?

以下の結果が得られました。

すべてのワクチン製剤がよく忍容され、ワクチンに関連した重篤な有害事象はなかった。

抗F免疫グロブリンG抗体は、アジュバントを使った処方のとき56日の時点で6.5から15.6倍向上し、2回接種した群では有意により高い数値であった。

56日と112日時点の間で、プラセボ群の21%(12/56)とワクチン接種群の11%(26/244)が直近でRSウイルスへの感染の根拠が認められた(p=.04)。

RSウイルスの予防ワクチンは、2回打つことでよりRSウイルス抗体が増え、接種後56から112日の間にRSウイルス感染症にかかった割合は、ワクチンを接種した群でより少ないという結果でした。重篤な副作用は見られませんでした。

 

RSウイルス感染症は、2歳までにほとんどの子どもが感染すると言われている病気です。このような予防ワクチンの有効性がさらに検証されることで、重篤な状態になることを防ぐことができるかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

A Randomized, Blinded, Controlled, Dose-Ranging Study of a Respiratory Syncytial Virus Recombinant Fusion (F) Nanoparticle Vaccine in Healthy Women of Childbearing Age.

J Infect Dis. 2015 Aug 10

[PMID: 26259809]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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