◆517名のランダム化比較試験
アレクサンダーテクニークは、事故後のリハビリや、呼吸法の改善などに用いられる身体調整方法です。欧米では近年、多くの音楽学校や演劇学校に正規の授業として取り入れられており、医師の処方があれば保険の対象になる国もあります。
研究班は、慢性的な頚部痛のある患者さん517名を対象に、アレクサンダーテクニークまたは鍼治療を、通常の運動療法・薬剤療法に加え、痛みの改善に効果があがるかどうかを検証しました。
◆鍼治療とアレクサンダーテクニークがともに有効
鍼治療とアレクサンダーテクニークのレッスンが12ヶ月行なわれた時点で、NPQスコアという痛みの程度の評価が、鍼治療で32%減、アレクサンダーテクニークで31%減と、ともに有効であるという結果でした。
鍼治療は欧米で一定の市民権を得てきており、さまざまな領域ですでに多くの検証も行なわれています。アレクサンダーテクニークは鍼と比べれば歴史は浅いですが、それでも100年にわたって多くの支持者をあつめています。その有効性を検証する試みも多く、背痛には有効ではないかというメタ解析結果もあります。
執筆者
Alexander Technique Lessons or Acupuncture Sessions for Persons With Chronic Neck Pain: A Randomized Trial
Ann Intern Med. 2015 Nov
[PMID: 26524571] http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26524571※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。