◆手術後の患者756人のデータを解析
この研究は、肝内胆管細胞がんの治療後の経過を予測する分類基準を作るため、肝内胆管細胞がんを取り除く手術を受けた患者756人の情報から、診断時の特徴と、その後の経過の関係を調べました。
◆5年生存率は100%
次の結果が得られました。
全生存率のデータは、患者の生存を予測する最小P値アプローチで、2cmをカットオフ値としたときに最もよく層別化された。最大径2cm以内の肝内胆管細胞がんがあり、リンパ節転移がなく、脈管浸潤がない患者15人の5年生存率は100%であり、このコホートがT1と定義された。リンパ節転移がなく遠隔転移がない(N0M0)患者267人の予後因子の多変量解析から、腫瘍の数、動脈浸潤があること、主要胆管浸潤があることが有意で独立した予後因子とされた。
がんの大きさが2cm以内で、周りのリンパ節に転移がなく、周りの血管や胆管にがんが広がっていないとき、5年生存率は100%でした。
手術のあとの経過を予測することは、手術以外の治療法と比べてどちらを選ぶかを決めるためにきわめて重要です。より正確に予測できる基準が作られることで、治療の結果をよくすることにつながるかもしれません。
執筆者
Proposal of a new staging system for intrahepatic cholangiocarcinoma: Analysis of surgical patients from a nationwide survey of the Liver Cancer Study Group of Japan.
Cancer. 2015 Oct 2 [Epub ahead of print]
[PMID: 26430782]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。