カロリーを表示すると体重増加を抑えられるかもしれない
食べ物にカロリー表示があると、栄養バランスが気になってくることは多くの人が経験しているかもしれません。今回の研究では、朝食と夕食時にカロリー表示をすると体重の増加を抑えられるかもしれないということを報告しました。
◆カロリー表示したときの体重変化を追跡調査
今回の研究は、カロリーを制限できるように対象者はひとつの施設に入り、食事を管理されました。
2011年から2012年の対象には、36週間の介入期間中に5週間のみ食事のカロリー表示を行い、2012-2013年の対象には、36週間の介入期間中に30週間カロリー表示をしました。
◆カロリー表示が5週間だと体重増加、30週間だと体重は変化なし
以下の結果が得られました。
36週間の平均体重変化は、プロトコールに従って解析すると、Year1では+3.5kg(95%信頼区間2.8から4.1kg)(n=64)、Year2では-0.15kg(95%信頼区間-0.7から0.3kg)(n=87)であった。
ITT分析でも似た結果であった。
体重増加の相対リスクは、Year1に対してYear2で0.5であった(p<0.0001)。
カロリー表示を30週間した2年目では体重変化が見られなかったのに対し、カロリー表示を5週間した1年目では3ヶ月で体重が平均3.5kg増加していました。
今回の研究では、異なる介入時期でそれぞれ恣意的に対象を選択しています。そのため、対象を比べると、偏りがある可能性は否定できず、食べ物にカロリー表示をすることの効果に関して断定的に述べることはできません。
しかし、カロリー表示の期間が長かった方が体重変化が少なかったという結果は気になります。今後、より確かな方法で検証されることを期待しても良いかもしれません。
執筆者
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。