◆インフルエンザの抗ウイルス薬やワクチンに関する知識を調査
今回の研究は、2006年の4月から6月に、研究場所としたアメリカのクリニックに来院した外来患者280人を対象に調査されました。
調査内容は、インフルエンザの抗ウイルス薬やワクチンに関する知識や行動に関する質問でした。具体的には、例えば「抗ウイルス薬は風邪に効果があると思うか」「インフルエンザワクチンはインフルエンザ感染の原因になると思うか」といった14の質問で構成されていました。
◆抗ウイルス薬に関する知識の正答率は40%、発症後48時間以内の医師相談は13%
以下の結果が得られました。
8つの抗ウイルス薬の質問のうち、平均正答率は40%であった。
患者のうち1人(1%未満)はすべての質問に正答したが、47人(18%)はすべての質問に誤答した。
患者のうち37人(13%)のみが、インフルエンザ様症状の発症から48時間以内に医師に電話すると答えた。
知識の質問8問の平均正答率は40%で、全問正答は1人だけでした。行動についての質問で、インフルエンザ様の症状が出てから、48時間以内に医師に相談すると答えた患者の割合は13%でした。
筆者らは、「医師はインフルエンザ合併症のリスクが高い患者とは流行の季節の前に抗ウイルス治療について相談しておくべきであり、医師と患者のための教育プログラムが開発されるべきである」と結論しています。
インフルエンザだけに限りませんが、このような医療に関する正しい知識が知れ渡るのは簡単ではないのかもしれません。
執筆者
Patient knowledge and attitudes about antiviral medication and vaccination for influenza in an internal medicine clinic.
Clin Infect Dis. 2007 Nov 1
[PMID: 17918080]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。