妊婦がインフルエンザを発症したらできるだけ早く、最低2日以内の治療を

妊娠中のインフルエンザ感染は、産まれてくる子どもにも影響することがあります。子どもと母親の体を守るため、早い時期から治療を始めることが重要です。薬を使い始めた時期によって経過を比較する研究が行われました。
◆発症から服薬までの日数と重症化の関係を検証
一般的にインフルエンザの治療に使われるオセルタミビル(商品名タミフル)は、
2009年にニューヨークで確認されたインフルエンザ感染者のデータを分析しました。妊婦が、インフルエンザ感染から何日以内に服薬したかというデータとその後の重症化について検証しました。
◆発症後2日以内に服薬すると重症化は少ない
以下の結果が得られました。
症状の開始から2日以内にオセルタミビルを服用した妊婦30人のうち重症化した人は1人だけ(3.3%)であったが、症状の開始から3-4日後に治療を開始した14人のうち3人(21.4%)が、5日以上経てから治療を開始した9人のうち4人(44.4%)が重症化した(トレンドp値=.002)。
22人の女性がインフルエンザによる入院中に出産し、深刻な新生児の帰結(N
ICU 入室または死亡)は重症の女性6人のうち5人(83.3%)に、対して中等症の女性では16人中2人(12.5%)に起こった。
妊婦では、インフルエンザの
妊娠中に熱や咳が出ると、不安になることも多いと思います。母親だけでなく子どものためにも、できるだけ早く医師に相談し、治療を受けることをおすすめします。
執筆者
Severity of 2009 pandemic influenza A (H1N1) virus infection in pregnant women.
Obstet Gynecol. 2010 Apr
[PMID: 20308830]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。