◆二重標識水法を用いたエネルギー代謝量の測定とBMI等の関連を調査
エネルギー代謝量を求めるために、二重標識水法を用いました。これは水素・酸素の同位体を含んだ水を飲み、尿中に排出された同位体の量を調べてエネルギー代謝量を測定する方法です。
著者らは計253人の10代を中心とする参加者(173人の女性と80人の男性)を対象に、エネルギー摂取量などのアンケートとBMI(体重÷身長の2乗)を基に、相関性を調べました。
◆BMIが高い人は、エネルギー摂取量を過小報告する傾向にある
以下の結果を得ました。
高いBMIは研究群1(相関係数r=0.26, P<0.05)および研究群2(相関係数r=0.20, P=0.01)におけるEIの過小報告と関連があった。研究群2の男性でも同様であった(相関係数r=0.24, P<0.01)。[...]いずれの研究群でも過少報告は将来のBMI変化を予測していなかった。
BMIが高い人は食べた量を正確に申告しない傾向にありました。また、男性は正確に申告しない傾向が見られました。ただし、過小報告が将来のBMIの変化に必ずしも影響するとは言えませんでした。
この結果から、太り気味の人達は自分が思っているエネルギーの摂取量と、実際のエネルギー代謝量に差がある可能性が高い事が分かりました。この差を把握していくことが、今後の肥満治療に影響するかもしれません。
執筆者
Elevated BMI and Male Sex Are Associated with Greater Underreporting of Caloric Intake as Assessed by Doubly Labeled Water.
J Nutr. 2015 Sep 2.
[PMID: 26338886]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。