◆59人をソリスロマイシンで治療
抗菌薬のソリスロマイシンは、これまで淋菌の治療には使われていませんでした(日本では2015年9月時点で未承認)。研究班は、淋病の患者と見られた59人を対象に、ソリスロマイシンで治療を行い、効果を調べました。
◆全員で治癒
次の結果が得られました。
培養で淋菌陽性だったすべての患者が、すべての感染部位について治癒した。
軽度の用量依存性の消化器副作用(吐き気、軟便、嘔吐)がよく見られたが、治療を制限するものではなかった。
検査で淋菌に感染していたことが確かめられたすべての参加者について、ソリスロマイシンによる治療の結果、淋菌の感染がなくなりました。副作用と見られる軽度の吐き気などの症状がありました。
研究班は「経口のソリスロマイシン1回使用は[...]培養で証明された性器、口腔、直腸の淋菌感染症の治療に100%有効であり、淋病の治療において有望な新しい物質である」と結論しています。
新しい選択肢が加われば、よく使われている抗菌薬のうちどれかに耐性のある淋菌が現れても、対処できる範囲が広がるかもしれません。ただし、新薬を不用意に使うことで新薬にも耐性の菌が現れることは想定されるため、どのような場合に使うのが適切かは別に議論される必要があるかもしれません。
執筆者
A Phase 2 Trial of Oral Solithromycin 1200 mg or 1000 mg as Single-Dose Oral Therapy for Uncomplicated Gonorrhea.
Clin Infect Dis. 2015 Jun 18 [Epub ahead of print]
[PMID: 26089222]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。