2015.08.22 | ニュース

若年性特発性関節炎の治療、エタネルセプトの効果は

ドイツ41人の第III相ランダム化試験
from Arthritis & rheumatology (Hoboken, N.J.)
若年性特発性関節炎の治療、エタネルセプトの効果はの写真
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若年性特発性関節炎は、子どもにまれに起こる病気で、関節リウマチと似た症状を起こします。一部の場合にエタネルセプトという薬が使われますが、付着部炎関連関節炎というタイプに対する効果と安全性は十分に確かめられておらず、新たに研究が行われました。

◆全員に使う試験とランダムに分ける試験

この研究は、若年性特発性関節炎の患者で、付着部炎関連関節炎の特徴が見られ、ほかの治療で効果が十分に得られなかった人を対象としました。

研究は前半と後半に分けて行われました。前半では全員にエタネルセプトが使われ、24週間の治療で効果が見られた対象者だけが後半に参加することとしました。後半では対象者をランダムに分け、偽薬を使うか、エタネルセプトを使うかで24週間の治療の効果を比較しました。

 

◆93%で改善あり

次の結果が得られました。

41人の患者が登録された。24週で、エタネルセプトによる治療の結果として、応答率はACR基準でPedi 30が93%、Pedi 50が93%、Pedi 70が80%、Pedi 90が56%、Pedi 100が54%だった。

研究の前半で、41人の参加者のうち93%に診断基準の3項目以上で50%の改善があるなどの効果が見られました。

研究の後半では次の結果が得られました。

第2相では、38人の患者が偽薬(18人)またはエタネルセプト使用継続(20人)にランダムに割り付けられた。48週までに、12件の疾患増悪が見られ、うち9人は偽薬を使った患者、3人はエタネルセプトを使った患者だった(オッズ比6.0、P=0.02)。深刻な感染症、悪性病変、死亡はなかった。

症状の悪化があった患者は、エタネルセプトを使ったグループで少なくなっていました

 

若年性特発性関節炎は最終的に完治する場合がある程度の割合であると言われていますが、この研究で対象とされたように、最初の治療で十分な効果が得られない場合もあります。効果的な治療が望まれています。

 

【訂正8/23】

正確さについての指摘があり、以下の点を考えて本文(導入と結びの段落)を訂正しました。

1)この研究の対象が若年性特発性関節炎のうちでも付着部炎関連関節炎に限られていることに言及がありませんでした。

2)エタネルセプトが「多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎」について保険適用とされている点に言及がなく、誤解を招く表現になっていました。

3)結びの表現が、付着部炎関連関節炎についてのものとしては十分な根拠のないものでした。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Efficacy and Safety of Etanercept in Patients With the Enthesitis-Related Arthritis Category of Juvenile Idiopathic Arthritis: Results From a Phase III Randomized, Double-Blind Study.

Arthritis Rheumatol. 2015 May

[PMID: 25891010]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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