アスピリンは心筋梗塞を防げるか?再発予防について検証

心筋梗塞の再発を予防するための薬として、アスピリンがよく知られています。その効果を検証した、「心筋梗塞二次予防に関するガイドライン」で引用されている2009年の論文を紹介します。
◆アスピリンの予防効果に関する論文から、冠動脈疾患リスクへの効果を検証
熱を下げる効果でも知られるアスピリンは、血液を固まりにくくする作用があるため、心筋梗塞や脳梗塞は予防できると予想される一方、脳出血などの出血による病気は増える可能性がある薬です。
今回の研究では、心筋梗塞の再発予防に対するアスピリンの効果を検証した過去の研究16件を集め、その効果がどれくらい信頼できるものであるか、検証しました。
◆アスピリンで冠動脈疾患の発症リスクは低くなる
アスピリンによる心筋梗塞や脳卒中(脳梗塞、脳出血などの総称)防止の効果について、以下の結果が得られました。
2次予防試験において、アスピリンを投与した場合に、出血性脳卒中は
有意 に増大せず、全脳卒中(年2.08% vs 2.54%、p=0.002)および冠動脈 イベント(年4.3% vs 5.3%、p<0.0001)は約5分の1減少し、 重篤な血管イベント(年6.7% vs 8.2%、p<0.0001)はより大きい絶対減少量を示した。
アスピリンを投与すると、脳出血が増えることなく、脳卒中や心筋梗塞は発生しにくくなるという結果でした。
「心筋梗塞二次予防に関する
執筆者
Aspirin in the primary and secondary prevention of vascular disease: collaborative meta-analysis of individual participant data from randomised trials.
Lancet. 2009 May 30
[PMID: 19482214]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。