心筋梗塞後の血圧、死亡に対して、血圧を下げる薬はカルシウム拮抗薬でもβ遮断薬でも同等の効果

心筋梗塞の再発予防には、降圧剤であるβ遮断薬やカルシウム拮抗薬が使われています。心筋梗塞に関するガイドラインで引用されている、β遮断薬の代替薬としてカルシウム拮抗薬が再発予防として有効であるという2008年の論文を紹介します。
◆カルシウム拮抗薬群とβ遮断薬群にランダムに振り分け
今回の研究では、7,218名の心筋梗塞患者を対象に、カルシウム拮抗薬であるベラパミルを使う群とβ遮断薬であるアテノロールを投与する群にランダムに振り分け、その後の死亡、心筋梗塞と脳卒中の発生を追跡しました。
◆カルシウム拮抗薬とβ遮断薬に統計的な有意差なし
調査の結果、以下のことを報告しました。
2.8±1.0年の追跡調査で、ベラパミルSRを基本とする方針と、アテノロールを基本とする方針では、同等の血圧コントロールであり、主要アウトカムの発生率は同等であった。
死亡、全心筋梗塞のいずれのアウトカムでも2つの戦略に違いは見られなかった。
カルシウム拮抗薬とβ遮断薬は、血圧コントロール、死亡減少に対する効果は同等であるという結果でした。
筆者らは、「心筋梗塞後の高血圧患者では、ベラパミルSRを基本とした治療方針は、[...]β遮断薬を基本とした治療方針と、血圧コントロール、心血管イベントの予防に同等の効果であった。」と述べています。
心筋梗塞
執筆者
Verapamil-sustained release-based treatment strategy is equivalent to atenolol-based treatment strategy at reducing cardiovascular events in patients with prior myocardial infarction: an INternational VErapamil SR-Trandolapril (INVEST) substudy.
Am Heart J. 2008 Aug
[PMID: 18657652]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。