2015.06.15 | ニュース

家族揃って食事をするほうが子どもの肥満が少ない?

韓国の小学生の健康調査から

from Pediatric obesity

家族揃って食事をするほうが子どもの肥満が少ない?の写真

子どもの肥満はその後の2型糖尿病などにつながり、一生にわたって大きな影響があると考えられます。生活習慣と肥満の関係はさまざまな面から研究されていますが、新たに韓国の研究班が、家族で一緒に食事をすることに注目して健康調査データを解析し、家族で食事をしない小学生には過体重または肥満が多かったことを報告しました。

◆韓国の小学生の健康調査から

研究班は、2008年から2012年にかけて韓国で行われた健康調査のデータを使って、2,904人の小学生について、家族で食事をする頻度と、BMI(体重÷身長の2乗、22前後が健康的とされる)が25以上の過体重、またはBMIが30以上の肥満症に関連があるかどうかを統計解析しました。

 

◆家族で食事をしないと過体重または肥満が多い

解析から次の結果が得られました。

全体で2,904人の小学生のうち、573人(19.4%)が過体重または肥満だった。過体重または肥満のオッズ比は、朝食と夕食をともに家族で食べる児童に比べて、夕食だけを家族で食べる児童で1.21(95%信頼区間0.89-1.64)、朝食だけを家族で食べる児童では3.20(95%信頼区間1.70-6.02)、朝食も夕食も家族と食べない児童では4.17(95%信頼区間1.98-8.78)だった。

朝食と夕食をどちらも家族と食べる児童に比べて、夕食を家族で食べない児童、朝食も夕食も家族で食べない児童では過体重または肥満が多くなっていました

これらの結果から、研究班は「したがって、我々は児童期の肥満対策には家族で食事を摂ることを含めることを提言する」と述べています。

 

家族揃って食事ができるかどうかには親の職業などさまざまな社会的な側面が関わり、この研究では家族で食事ができない背景が肥満を促していた可能性も否定できません。ただ結果としては、家族揃って食事ができるほうが健康的なのかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Do family meals affect childhood overweight or obesity?: nationwide survey 2008-2012.

Pediatr Obes. 2015 Jun 10 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26061428]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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