◆韓国の小学生の健康調査から
研究班は、2008年から2012年にかけて韓国で行われた健康調査のデータを使って、2,904人の小学生について、家族で食事をする頻度と、BMI(体重÷身長の2乗、22前後が健康的とされる)が25以上の過体重、またはBMIが30以上の肥満症に関連があるかどうかを統計解析しました。
◆家族で食事をしないと過体重または肥満が多い
解析から次の結果が得られました。
全体で2,904人の小学生のうち、573人(19.4%)が過体重または肥満だった。過体重または肥満のオッズ比は、朝食と夕食をともに家族で食べる児童に比べて、夕食だけを家族で食べる児童で1.21(95%信頼区間0.89-1.64)、朝食だけを家族で食べる児童では3.20(95%信頼区間1.70-6.02)、朝食も夕食も家族と食べない児童では4.17(95%信頼区間1.98-8.78)だった。
朝食と夕食をどちらも家族と食べる児童に比べて、夕食を家族で食べない児童、朝食も夕食も家族で食べない児童では過体重または肥満が多くなっていました。
これらの結果から、研究班は「したがって、我々は児童期の肥満対策には家族で食事を摂ることを含めることを提言する」と述べています。
家族揃って食事ができるかどうかには親の職業などさまざまな社会的な側面が関わり、この研究では家族で食事ができない背景が肥満を促していた可能性も否定できません。ただ結果としては、家族揃って食事ができるほうが健康的なのかもしれません。
執筆者
Do family meals affect childhood overweight or obesity?: nationwide survey 2008-2012.
Pediatr Obes. 2015 Jun 10 [Epub ahead of print]
[PMID: 26061428]
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