◆206名の肥満傾向の小児を対象
今回の研究では、肥満傾向とされた4歳から8歳の小児206名が対象となりました。対象となった小児の家族は、テーラメイド治療を行う群と通常の治療を行う群にランダムに割り付けられました。テーラメイド治療群では、それぞれの対象に合った目標を家族と専門家で決定し、定期的に治療のための面談を行いました。
◆テーラメイド治療群で肥満度、腹囲周計が減少
2年間の治療の結果、テーラメイド治療群で通常ケア群よりも肥満度が減少しました。詳細な結果は以下の通りです。
24ヶ月時点のBMIは、テーラメイド治療群の子どもが通常ケア群の子どもよりも有意に低かった (ニ群間の差, 95%信頼区間: -0.34, -0.65から -0.02)、また、BMI z score (-0.12, -0.20から-0.04) と腹囲周計 (-1.5, -2.5から-0.5 cm)も同様であった。
著者らは、「主に軽度から中等度の肥満傾向の子どもに対する、頻度が高く、量の少ない支援は、2年間にわたって過剰な体重の減少に効果がある。このような取り組みは、プライマリケアに取り込む実現可能性がある」と述べている。
今回の研究から、個別性を考慮した家族ぐるみの肥満治療は、有効な治療手段となる可能性が示されました。このような、それぞれの家族の状況に合わせた介入を行うことによって、家族内の生活習慣を改善することは有効な肥満治療となるかもしれません。 より確かな治療法に向けて今後の研究が期待されます。
執筆者
A Tailored Family-Based Obesity Intervention: A Randomized Trial.
Pediatrics. 2015 Aug
[PMID: 26195541]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。