薬が飲み込みやすくなる「ポップボトル法」と「前屈み法」とは?

病気や加齢などさまざまな原因により、飲み込むことができない症状(嚥下障害)が現れることがあります。そんなときに薬を飲み込みやすくするための方法として、錠剤に適した「ポップボトル法」とカプセル剤に適した「前屈み法」があります。今回、この2種類の方法の効果をドイツの研究チームが検証し、どちらも有効だったことを報告しました。
◎ポップボトル法とは?
- 水や炭酸水のペットボトルに水を入れる。
- 舌の上に飲み薬を置く。
- フタを開けたペットボトルを口でくわえる。
- ボトルから唇を離さず、水を吸うようにして薬を流し込む。
デモ動画: https://youtu.be/Yd66N_i-n3o
*ボトルを持った手で潰すようにして、ボトルの中に空気が入らないようにすることがポイント
◎前屈み法とは?
- 飲み薬を舌の上に置く。
- 水を一口含み、飲み込まないようにする。
- 顎を胸に近づけるようにやや前に頭を屈ませる。
- 頭を屈ませたまま、水と一緒に薬を飲み込む。
デモ動画: https://youtu.be/6dMS40iROG0
◆成人151人を対象に飲み込み評価を行う
研究チームはドイツの一般集団のうち、成人151人を対象に、錠剤とカプセル剤など形やサイズを変えた偽薬を飲み込ませ、それぞれの薬を飲み込んだ際に質問表を用いて、飲み込みやすさを評価しました。
その結果、飲み込みにくいとされた薬をもう一度、錠剤ならポップボトル法、カプセル剤なら前屈み法を使用して飲み込ませ、飲み込みやすさが変わるかどうか聞き取りました。
◆ポップボトル法と前屈み法ともに効果あり
ほとんどの人が飲み込みにくいと答えた、大きいサイズの錠剤をポップボトル法で飲むと283人中169人(59.7%)が飲み込みやすくなったと答えました。
前屈み方法を使ってカプセル薬を飲み込んだところ、35人中31人(88.6%)が飲み込みやすくなったと答えました。
研究チームは、「両方の技術とも、嚥下障害のあった参加者にも、なかった参加者にも、非常に効果があり、普段から勧められるべきである」と述べています。
医師の皆さんや言語療法士の方はここで試された方法以外によい方法をご存知ですか?
以前に当事典のニュース紹介した研究では、子どもに対して有効だった方法を取り上げています。ご興味のある方はぜひご覧になってください。
◎「薬をうまく飲むことができない子どもに、うまく飲ませる5つの方法」
執筆者
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。