2015.05.13 | ニュース

白血病の新薬、既存薬が使えないときに有効

フルダラビン不可の場合にオファツムマブとクロラムブシルを併用
from Lancet
白血病の新薬、既存薬が使えないときに有効の写真
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白血病の一種である慢性リンパ性白血病 (CLL)の治療薬に、フルダラビンという抗がん剤がありますが、副作用の恐れなどにより使えない場合もあります。そこでヨーロッパ・アメリカなどから集まった研究チームがオファツムマブとクロラムブシルという2種類の抗がん剤の併用を試し、従来行われてきたクロラムブシルだけの治療よりも、病気が悪化することなく生存する期間が長くなったと報告しました。

◆フルダラビンが使えなかった場合をランダム化

研究チームは下記のように対象者を集め、オファツムマブを使う場合と使わない場合を比較する試験を行いました。

我々は16か国の109の施設において、CLLの治療を受けたことがない患者を対象とした、phase 3の非盲検ランダム化試験を行った。

治療が必要な活動性の疾患を有し、かつフルダラビンを基本とした治療が不可能だった患者を対象とした。

この研究はフルダラビンが使えないと判断された場合だけを対象としました。オファツムマブとクロラムブシルの併用は、この試験に先立って何らかの効果があることを確かめられており、この試験ではクロラムブシル単独での化学療法に比べて有効かどうかが検討されました。

対象者はクロラムブシルの飲み薬だけの治療を受けるグループと、クロラムブシルに加えてオファツムマブの点滴を受けるグループにランダムに振り分けられました。治療する医師も、治療を受ける患者も、いま行われている治療がクロラムブシル単独なのか、オファツムマブとクロラムブシルの併用なのかを知っていました。

 

◆22.4か月 vs 13.1か月

試験の結果は以下のとおりでした。

447人の患者が登録され、その年齢は35歳から92歳で中央値は69歳だった。

クロラムブシルとオファツムマブのグループには221人、クロラムブシル単独のグループには226人が割り当てられた。

無増悪生存期間の中央値はクロラムブシルとオファツムマブのグループで22.4か月、クロラムブシル単独のグループで13.1か月だった。

Grade 3以上の有害事象はクロラムブシルとオファツムマブのグループで109人(50%)の患者に起こり、クロラムブシルだけのグループの98人(43%)よりも多かった。好中球減少が最も多く、クロラムブシルとオファツムマブのグループの56人(26%)、クロラムブシルだけのグループの32人(14%)に見られた。

つまり、クロラムブシルとオファツムマブを併用したグループのほうが、クロラムブシルだけのグループよりも、病気が悪化することなく生存する期間が長くなっていました。副作用としては、免疫の役割を持つ白血球のうち「好中球」という種類のものが少なくなるなど、クロラムブシルとオファツムマブを併用したグループのほうが多くなっていました。

 

研究チームは、クロラムブシルにオファツムマブを加えた治療法が「重要な改善」をもたらし、副作用は「管理可能」な範囲だったと述べています。近い将来、この治療法が実際に使われるようになるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Chlorambucil plus ofatumumab versus chlorambucil alone in previously untreated patients with chroniclymphocytic leukaemia (COMPLEMENT 1): a randomised, multicentre, open-label phase 3 trial.

Lancet. 2015 Apr 13

[PMID: 25882396]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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