2015.06.08 | ニュース

多発性骨髄腫、ほかの薬が効きにくいときにエムプリシティ®併用で効果向上

ランダム化試験で無増悪生存期間延長
from The New England journal of medicine
多発性骨髄腫、ほかの薬が効きにくいときにエムプリシティ®併用で効果向上の写真
(C) Denis Dryashkin - Fotolia.com

血液のがん(悪性腫瘍)のひとつ、多発性骨髄腫は主に抗がん剤による化学療法で治療されますが、化学療法が効きにくかったり、一度治まったように見えて再発することもあります。このような場合にレナリドミド、デキサメタゾンという薬の治療がありますが、この効果をさらに高くする狙いでエロツズマブ(商品名エムプリシティ®)という新薬が試され、多発性骨髄腫が悪化することなく生存する期間を長くしたという結果が報告されました。

研究班は化学療法が効きにくかった、または化学療法後に再発した多発性骨髄腫の患者を対象として、次のように試験を行いました。

この第3相試験では、対象者をエロツズマブ、レナリドミド、デキサメタゾン併用のエロツズマブ群またはレナリドミドとデキサメタゾンの対照群にランダム割り付けした。

対象者は既存の治療であるレナリドミドとデキサメタゾンに加えて、レナリドミドを使うグループと、使わないグループにランダムに振り分けられました

 

試験から次の結果が得られました。

全体で321人の患者がエロツズマブ群に、325人が対照群に割り付けられた。中央値24.5か月のフォローの後、[...]2年無増悪生存率はエロツズマブ群で41%、対照群で27%だった。

2群で多く見られたグレード3または4の有害事象はリンパ球減少、好中球減少、疲労感、肺炎だった。

治療開始後2年で病気が悪化することなく生存していた割合は、エロツズマブを使うグループでは41%、使わないグループでは27%であり、エロツズマブを使ったほうが病気の悪化無く生存する期間が長くなっていました

 

白血病など血液の悪性腫瘍にはさまざまな薬の組み合わせが細かく使い分けられます。エロツズマブはこの研究のほかにも日本で進行中の試験があり、多発性骨髄腫の治療戦略に加わることを目指されています。有効な新薬が加わることで、治療の結果が少しずつよくなっていくかもしれません。

 

エロツズマブを有効成分とする製剤のエムプリシティ®は、2016年9月9日に日本での承認の可否を審議される予定です。

 

エムプリシティ®は、9月28日に「再発又は難治性の多発性骨髄腫」を効能・効果として承認されました。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Elotuzumab Therapy for Relapsed or Refractory Multiple Myeloma.

N Engl J Med. 2015 Jun 2. [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26035255]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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